凪予報でぽかぽか陽気。こんな日は東京湾奥でのんびりと釣りしたい。春の癒し魚といえば、春告魚とも呼ばれるメバルだ。小気味よく穂先をギュンと持っていき、どんな大物!と喜ぶと意外と小さな魚体が姿を現す。午後からは最近好調なアジへリレー。のんびり釣ろうと考えていたが…。
一度、東海道線の始発で横浜まで行って京急に乗り換えるという早起きコースを覚えてしまうと、金沢八景・一ノ瀬丸へは毎回、30分早起きして行くようになってしまった。早い電車で行った方が受付が空いているし、ゆっくりと支度をできるので精神衛生的によい。といっても車の人に比べると到着はゆっくりのようで、午前メバル・午後アジともに残っている席札は多くない。艫から埋まる一ノ瀬丸の法則で、午前午後とも左舷の舳が空いていた。大好きな席なので迷うことなく席札を取る。午前メバルは片舷10人と盛況で一段上がったちょいお立ち台で釣ることに。
一ノ瀬丸のメバル釣りは八景沖では何度か挑戦したことがあるが、4月に入って横須賀沖が解禁されてから乗るのは初めて。追浜方面に向かって壁の前での釣りとなる。根掛かりのありそうなポイントで西村船長から「あまり仕掛けは動かさないように」との指示はあるが、八景沖での誘い厳禁に比べると規制は緩やか。エビを付けて仕掛けを振り込むように投入するとすぐに魚信があったがカサゴ。その後も魚信は途切れずあるがカサゴばかり。メバルは小型1匹とリリースサイズが1匹釣れただけ。本命はメバルでカサゴはゲストなへた釣りとしてはう~~むな滑り出し。春告鳥(ウグイス)の鳴き声は聞こえるのに、春告魚(メバル)は春を告げる気なし?
壁から離れて猿島沖の根周りを攻めるようになると、癒しの時間が訪れる。潮が速くバリバリ食い続けるというわけにはいかないが、ギュンと穂先を持っていく小気味よい魚信があったら、メバルの群れに仕掛けが入っている。オモリを少し持ち上げてしばらく粘るとさらにギュンと重みが乗る。メバル・メバル・カサゴの針数パーフェクトに続いて、メバルのダブルを2回。メバルのサイズは20センチくらいと中型だが、ダブルで掛けるとドラグが軽く滑る重量感を味わえる。潮の速さを嫌って壁前に戻ってしまったが、もう少し猿島沖のメバルと戯れていたかった。午前の部はメバル9匹+カサゴ匹をキープ。
一度桟橋に帰って午前に使った道具をきれいにして午後のアジに備える。午後アジは2隻出しで、子連れやカップル、女の子同士のグループ多数。おっさん独りだと場違いな感じすらする。13時に桟橋を離れて本牧沖のポイントへ。コマセを撒いてアジを寄せる必要もなく、すぐに魚信がある。引きも鋭くまぁまぁいいサイズのアジだったが抜き上げ中にバレる。滅多にアジをばらさないのに、1匹目からこれではとちょっと凹む。バレるときはタナを高くする。2.5・3・3.5メートルでコマセを振り出して4メートルで待つと25センチ級の食べて一番美味しいA5ランクアジがポツポツ釣れ始める。ダブルも交えて10匹くらい釣ったところで魚信が遠のき、幸浦沖へと南下する。
ここから大迷走してしまう。本日のテーマは春の海でのんびりとだったはずだが、魚信は出るのに掛からない、巻き上げ中にいなくなる、小型のアジに翻弄されカリカリしてしまう。タナを上げてもダメ、エサを小さくしてもダメ、針を小さくすれば改善する気はしたが小アジ狙いのムツ針9号の仕掛けは持ってきていなかった。魚信だけは途切れずあったもののさっぱり数を伸ばせず。どうやれば釣れたのか?いまだに分かっていない。午後の部はアジ26匹+カサゴ2匹。食べることを考えると十分な釣果なので春の海ひねもすリレーは成功ってことにしておく。
著者: へた釣り