釣行記を書こうとデジカメからパソコンに写真のデータを移して途方に暮れる。全くと言っていいほど写真を撮っておらず使える写真がほとんどない。あまりの暑さにぼうっとしていたとしか……。とにかく暑かった。そして渋かった。カイワリはバラシまくって3匹だけ。キープは三目どまり。
東京湾で何を釣ろうかとチェックするとことごとく何も釣れてない状況に、それならお魚天国の伊豆まで行って、カイワリが一応本命のウィリー五目を楽しんじゃおうと、宇佐美・治久丸へ。2年ほど前のこの時期に網代寄りの水深の浅いポイントで十五目釣りをしたのが楽しかったので、十目超え再びを期待しての釣行だったが……。出船前から聞こえてくる情報はよろしくない。午前も仕立てのカイワリで出船していたが、船中4、5匹であったらしい。「反応はあるんですけどね」と木部船長は言うのだが……。
船は定刻に港を離れる。港を出てすぐにイルカが船と並走して戯れてくる。泳ぎにきたのならイルカと一緒に泳ぐのは楽しそうだが、釣りだと邪魔者以外の何者でもない。しばらく船の周りで飛び跳ねていなくなってくれて胸を撫でおろす。ポイントは網代寄りの水深30メートルくらいからだった。コマセを撒きすぎないように緑のコマセカゴを船から借りて、ピカイチくん30号+40号をぶら下がて釣り開始。指示ダナは底から8メートルまで。3メートルから50センチ刻みで10回シャクる。すぐに魚信はあった。引きはカイワリっぽいけど迫力不足で15センチくらいのミニカイワリのスレ掛かり。とりあえず本命ゲットだが、いい滑り出しなのかどうか…微妙なところ。
緑のコマセカゴはウィリー向きではなく、コマセが出すぎる。エサ釣りの人用の設定になっており下窓が少しだが開いているので、ウィリーの要領でシャクると数シャクリでコマセを撒ききってしまう。下窓全閉、上窓をほんの少し開けた自前のFLビシを使うことに。ウィリーに何かが触れてきている感触はあるのだが針掛かりする気配はない。その後、最初のよりは少し大きいカイワリを追加する。2度ほどいい魚信があったが、2回ともバラシてしょんぼり。掛からない魚信の主はキタマクラだった。2度ほどスレ掛かりした。ヒラソウダを1匹追加しカイワリ2匹とヒラソウダ1匹の二目3匹で前半戦終了。
暑くて集中力を奪われる。魚信がなかなか出せないのに、魚信っても掛け損ねたりバラシたりは剣崎沖イサキと全く同じパターンで凹む。「初島沖をやってみる」とのアナウンスがある。カイワリの期待度の高いポイントなので少し気合を入れ直す。90メートルくらいを何か所か攻めたが魚信なしで再び浅めのポイントへ。60メートルのアマダイも狙えるポイントでは底から3メートルはゆっくり誘いあげてアマダイ狙い。3メートルより上はシャクってカイワリ狙いで、サイズ的には不満はあるがアマダイをゲットし、三目め達成。ヒラソウダをもう1匹追加してカイワリ、ヒラソウダ、アマダイの三目5匹に。このポイントはゲスト多彩で、シラコダイ、サクラダイ、キダイ、ヒメなどが釣れたがいずれもリリース。
沖上がりの時間が近づいてくる。このまま終わりかなと思いつつ、それでもあきらめずにシャクっていると穂先がグンッと持っていかれる。重量感はそれほどでもないが間欠的に強く鋭く引くので絶対にカイワリ。それも良型。大事にやり取りしていたら…リールが外れるというあり得ないトラブル。ハンドルでは巻けないので慌てて電動をオンしたがバレた。ダメなときというのはこんなもんである。もうやめよかなとすら思ったが船長から「入れ直していいよ」と促されて再投入。すぐ魚信があり、さっきのとほぼ同じような引き。今度は無事にタモの中に入ったのは30センチ近いお刺身で最高のカイワリ。クーラーの主がソウダガツオではなくカイワリになった。貧果は貧果だがこの1匹に救われた。
著者: へた釣り