魚だって命がけ、甘く見ていると予期せぬ大惨敗をくらう。2月1日に開幕した東京湾奥のメバル。釣れる日の条件を吟味して釣行するのが楽しいが、昨年は熟考しすぎてやらず仕舞いに。本日はベストな条件ではないが、爆釣は無理でも釣りにはなるだろうと釣行を決断したが…轟沈。
今年は海水温が高いままなので水温に関しては不安なし。潮回りは中潮だが明日から小潮になるので緩んではきているはず。天気は曇り予報ではあるが日中は日差しありとのこと。最高ではないが釣れない条件ではないと判断し、羽田・かみやからメバル・カサゴへ。この釣りは1年半ぶりだが胴付き仕掛けで根歩きする釣りなので、水深もオモリの重さも1/10になってはいるが、アカムツとやることは変わらない。アカムツだって釣れたんだからメバルならばと甘くみた。目標は25センチ超の熟メバルを家族分の4匹。冬の東京湾随一の癒しの釣りを楽しむつもりだったのだが……。
なぜかメバルの仕掛けは自作しない。江戸前エビメバルを使った。捨て糸が60センチあるのはさすがに長すぎると判断し15センチほど詰めて45センチにする。狙いはメバルなので一番下の針が海底に着かないようにする。餌はモエビで、暖冬&高水温の影響かこの時期のモエビにしては大きなサイズのものが混じってくれているのがうれしい。顔だけw怖い船長から「30分ほど走る」とのアナウンスがある。凪はよさそうだが予報通り日が差し始めた。空が明るいとメバルが底から離れなくなってメバルとカサゴの泳層が同じになり釣り分けが困難になる。ここで初めて苦戦の予感。
最初のポイントは海ほたる周辺だった。3本針それぞれに尾を切ったモエビを装餌して、振り込むようにして投入する。オモリが着底したら軽く穂先がおじぎするように糸ふけを取ってしばらく待機。10秒くらい待ったらオモリを30センチくらい持ち上げて置きなおして根歩きする。勝負が早い魚なので食い気のある魚がいれば置き直したらすぐに魚信がでる…はずなのだが、でない。何度か根歩きしたら大きく竿を持ち上げてゆっくり下げていく。上から落ちてくる餌を意識しているメバルにモエビの存在をアピールする。顔だけw怖い船長が背後で「これは厳しいな」とぽつりともらす。このポイントで釣れたのはカサゴが2匹だけ。両方手乗りサイズだったので海面にたたきつけてリリース。
海ほたるのポイントはすぐに見切りをつけて「本牧に向かいます」とのアナウンス。数が釣れる主戦場的なポイントだ。まずは魚をクーラーに入れて一安心してからという作戦だったと思われる。本牧沖での何か所めかのポイントで、ようやくちょっとこましな魚信がある。巻き上げ中にも引く。20センチとぎりぎりキープサイズのメバル。続いてこれまた20センチくらいのアジが釣れて取りあえずキープ魚2匹目。メバルは18センチ以上をキープと決めている。残念なことにこの日釣れたキープサイズのメバルは最初の1尾だけ。ほかに10センチ、16センチが釣れた。16センチは持ち帰ろうかと悩んだが食べられる身の量を考えるとかわいそうなのでリリースした。
釣果報告に「メバル欲しさで中型カサゴまでリリ-ス」と書かれてしまったが、熟メバルが本命のへた釣りにとってカサゴはあくまでもゲストという位置づけ。美味しそうなサイズに満たないものはいらない。22、3センチくらいからキープと決めている。この日は釣れども釣れども手のひらに乗せられるようなサイズのカサゴばかり。ほぼ全部悩むことなくリリースした。2匹だけ持ち帰る魚がなくなるのを恐れてバケツに放したが…クーラーに入れる前に大きさを計測してみると18センチと16センチ。本日最大のカサゴである18センチのものは弱っていたのでお持ち帰りし、16センチはエア抜きすると立ち直ったのでお帰りいただいた。というわけで2020年のメバル開幕戦は2匹とド貧果に沈む。1年半ぶりなので釣り方を忘れてしまったのか、それともどうにもならない日だったのか……。
著者: へた釣り