6メートルの仕掛けを用意して行ったら10メートルでと…。長ハリスは苦手。見るに見かねた船長から6メートルでいいよと情けをかけられる。時既に遅し。血まみれ。しかも釣れない。そして寒い。長ハリスに戻し気合の置き竿。まずはマダイ、念願のイシダイ、クロダイ釣ってダイ三元達成。
風が強くあまり海の状態はよくないことは予報で分かっていた。ならば空くだろうと予測して、プチ時化の日に金沢八景・一之瀬丸のマダイ五目船を予約する。数日前の釣果欄にあった「イシダイもぽちぽち」に期待しての釣行だ。朝、家を出ると、時化だった先週のアマダイ釣行の日よりも風が強く、街路樹が揺れている。これはヤヴァいかもと不安を抱きながら一之瀬丸へ。空くだろうという予測は当たっていた。片舷3人ずつ6人での出船。左舷の真ん中に座る。両隣りとの間隔は十分なのでオマツリを恐れなくて済む。慣れない長ハリスなので、オマツリフリーなのはうれしい。
出船前に瀧本船長に確認すると昨日はイシダイは船中2匹だった模様。仕掛けを確認すると「9~10メートルのを使って」と言われる。6メートルの物しか持ってないことを伝えると、船長お手製の仕掛けをもらえた。小針好きの瀧本船長の仕掛けらしく針はマダイ針7号よりも小さい。船は久里浜沖へ。飛沫をかぶるのでキャビンに避難すると、「マダイに来るなんて珍しいね」と一之瀬丸のマダイ名人から声をかけていただく。釣り方を訊くと「タナは底から仕掛けの長さ分で久里浜のマダイは動かさない」と教えてくださる。水深35メートルで釣り開始。仕掛けを落とそうとしていきなりヘマ。仕掛けに結び目ができていたので正そうと仕掛けの落下を止めると、親指に激痛。カエシまでざっくり刺さっておりペンチで抜くと血が止まらない。さらに仕掛けはグチャグチャに。操舵室でそんな様子を見ていた船長から「6メートルの仕掛けでいいと思いますよ」と言われてしまう。血まみれのリールとかろうじて扱える6メートルの仕掛けで釣り始めたが…釣れない。風が強くものすごく寒いので、頭の中がヒュルリヒュルリララになってしまう。
船中、イシダイの顔を見た、マダイが釣れたとアナウンスがあるが、6メートル仕掛けのへた釣りは蚊帳の外。水深35メートルのポイントではイシダイが期待できるのでそのままウィリーのようなシャクリを入れながら釣り続けたが何も起きない。水深50メートルのポイントに移動したタイミングで10メートルの1本針仕掛けを作ってそれに替える。1本針ならトラブルは少ない。釣れている人を観察すると、置き竿でタバコを吸っている。約2時間半もヒュルリヒュルリララしていると人間素直になる。置き竿にし動かさない。じっと待つ。タバコはやめたのでナッツを齧っていると、穂先がグンッと持って行かれる。慌てずにゆっくりと竿を手に取りアワセる。35センチくらいのマダイだった。やっぱり置き竿の方がいいのかな? 1時間後くらいに25センチのマダイを追加。
操舵室にいる瀧本船長に釣り方を訊く。「誘って釣るべきだが、動かしすぎるのはよくない」とのこと。通常はタナに合わせて置き竿にしておき、誰かに魚信ったというアナウンスがあったときに誘いを入れるのが効果的だという。誘い方は「マダイには誘い下げが有効で、ゆっくり竿を下げていってゆっくり持ち上げる」。置き竿のときはドラグを緩めてリールから糸を引きすと誘いになるそうだ。13時が近づくと風がいくらか弱まり、午前中よりも釣りやすくなった。マダイが2匹釣れたのでヒュルリヒュルリララ状態も解除された。すると、念願のアレがやってきた。マダイに比べ重量感はない。ときどきクンクンと小さく引き込む。海面に姿を現したのは鮮やかなシマシマボディ。25センチくらいのイシダイだった。シマダイと呼ぶべきなんだろうが、イシダイってことにしといて!!
マダイ、イシダイと二目を達成すると、欲が出てくる。イシダイ(白)、マダイ(中)、ときたら残るはクロダイ(發)でダイ三元である。マダイは置き竿&誘い下げで、イシダイは誘い多めで…クロダイは??? クロダイを選んで釣る方法があるのかどうかすら知らない。あとは運任せである。14時くらいに穂先をグンと持って行かれる。引きは1匹目よりいいので、マダイのサイズアップかな?と丁寧にやり取りする。仕掛けを手繰ると……来るときは呆気なくくる。40センチくらいのクロダイだった。久里浜沖にて人生初のダイ三元を和了る!! 4匹しか釣れてないのに三目は運が良かったとしか……血まみれだけど。
著者: へた釣り