遥かかなたにあるはずの台風のウネリが釧路まで届いてしまい北海道遠征2日目に予定されていた五目釣りは中止が確定。早起きする必要がなくなったので夜の釧路の街へと繰り出す。行ったお店は昨年からあたりをつけてあった大衆居酒屋 日米。義妹のお勧めのお店である。
昨年別の居酒屋に行ったという話をすると妻1号の妹で釧路在住の義妹から「どうしてそんなお店に」と言われてしまう。へた釣りの感想としてはまぁまぁ美味いお店だったがせっかく釧路に来たのだからもっといいお店に行ってほしいということか。それでは居酒屋でお勧めはと聞くと名前があがったのが日米。昨年のうちに場所を確認し、行ける機会があれば行こうと決めていたが北海道遠征2018初日の夜に早くもその機会が訪れてしまったわけだ。
日米は釧路の繁華街の人通りの多い通りから少し奥まったところにある。非常階段が錆付いた怪しげなビルが近くにあるので周りは寂れた雰囲気だがこのお店だけは活気がある。19時すぎに訪れると既にカウンターは満席に近く従業員の通り道になるために「予約席」の札が置かれていた厨房前の席を空けてもらってなんとか入ることができた。この時間でお勘定をするお客もいたので17時30分のオープンから呑み始めた人がいたってことか。居酒屋は客の入り始めが早い店ほど安くて美味いことが多いので期待が高まる。まずはレモンサワーを注文。ビールが苦手なので「とりあえず」はレモンサワーのことが多い。
黒板にはぎっしりとお勧めの料理。気になる料理がいくつかあったが初めてきたお店なのでまずは定番料理からいただくことにし、お店の一番人気だというとり天、串焼きから阿寒ポーク、知床どり、お野菜も摂らないとなのでピーマンを注文する。豚と鶏は店員さんのお勧めにしたがってタレで注文する。まず運ばれてきたのがとり天。
目の前に置かれた瞬間にしまったぁ~目測を誤ったぁ~である。釧路の飲み屋情報誌の写真で確認していたとり天よりも明らかに量が多い。二口サイズのものが6個盛られている。衣はカリッと揚がっており抹茶塩を付けていただく。衣に油っぽさはなく噛むと鶏肉のジューシーな脂が口に広がる。
とりあえずレモンサワーを飲み終えると黒板に書いてあるお勧めの日本酒が気になりだす。北海道に来て北海道のお酒ではなく東北のお酒を呑む理由はないのだが、十四代など東北のお酒が都内で呑むよりかなり安い。黒板に書かれている銘柄は「1人1杯限定」でさらに値引きされているので我慢できない。まずは山形正宗を注文。やや甘口で鼻に抜ける香りがよく食中酒にはちょうどよい。
美味い日本酒との出会いに気をよくしていると串焼きが運ばれてくる。まずは阿寒ポーク。これまた目測を誤ったぁぁああという特大串。大きく分厚い豚バラ3枚の間に申し訳程度に玉ねぎが挟んである。とり天に続いてのこれで既に腹八分目。知床どりまで特大だったらどうしようと恐れていたら今度は肩透かしをくらう。鶏は普通サイズのネギマだった。最後にピーマン。胃袋が若くないのでこれにてお腹一杯。黒板メニューまでたどり着けない。
頼んだ料理をおいしくいただきながら、お酒は別腹。サービス日本酒の黒板にもう1つ気になる銘柄がある。青森の華想い LOVE&PEACE。きりっと輪郭がはっきりしている日本酒でとにかく芳醇。今日もお酒が美味かったと締めくくりに呑むのに最高の一杯だ。釧路の日米は日本酒好きにはいいお店かも。ところでこのお店…店名の由来はなんなんだろう?
著者: へた釣り