北海道遠征2018がスタート。朝早い飛行機(安いから)に乗って10時に釧路たんちょう空港に到着。北海道の師匠に迎えにきていただいてそのまま釧路西港のシシャモがいるかもしれないポイントに置いていってもらう。堤防でサビキ釣りなんて何年ぶりだろう。シシャモ釣りてぇえええ。
大物師である北海道の師匠はシシャモ釣りはあまりやったことがないようで、釣具店で情報収集して必要な仕掛けやエサなどを用意してくれた。東京から大荷物を持ってやってくるへた釣りが重いし面倒という理由で持ってこないであろう道具を予測してちゃんとそろえておいてくれるのであるからさすがである。三脚、椅子、水汲みバケツ、仕掛け、エサ。竿とリールさえ持っていけば釣りになる。サビキなのでコマセを撒くものだと思い込んでいたが釧路のシシャモ釣りではコマセは必須というわけではなく、代わりにサビキ針に青イソメを2センチくらいに切って付ける。
釧路西港に到着すると、北海道の師匠は先に釣っていた地元の釣り人から情報収集。シシャモを狙っている釣り人は2組だけいたがいずれも釣れてない様子。シシャモが釣れてないというより、魚全体元気がないようで何も釣れてないという状況らしい。「シシャモはね…釣れてないね」と言われてもじゃあ釣りはやめてという選択肢はない。ダメかも知れないけど竿を出す。シシャモは余興で明日からの船が本番と考えていると北海道の師匠の電話が鳴る。「あ…出ませんか!!」という言葉を聞くと用件の想像はついた。明日の釧路沖五目はウネリのために出船中止が決まった。予報で中止もあり得ると覚悟はしていたのでショックは大きくないが残念ではある。
釧路西港の第一埠頭のシシャモ狙いの達人オーラが出ている人の近くで釣ることに。達人さんの装備はすごい。電動バッテリーに接続した自作の自動シャクリマシンに竿をセットし、足元にはアミコマセを入れた網を沈めている。そこまでやって「キュウリウオが2匹だけ」というのであるから相当厳しい。釣りの準備を始めるとちょうど入港していた船が出船したので達人さんは先端に移動して行った。へた釣りが仕掛けを入れるとすぐに魚信。食い上げてから引き込むような穂先の変化にゆっくり竿を持ち上げると針掛かり。歯があるのでたぶんキュウリウオ。すぐにもう1匹。これも…キュウリウオかな? 達人さんが入れていたコマセが効いている? 想像していたよりは魚信がある。
2匹立て続けに釣れたがその後沈黙する。コマセを撒くわけではない。ときどきふわふわと誘うだけのスローな釣り。北海道の堤防での釣りは魚影の濃さを信じて待つというこういう釣りが多い。竿1本では退屈なのでコマイでも釣れないかなと投げ竿を用意する。サビキ釣りほどではないが投げ釣りも久しぶり。ちゃんと投げられるかしらと不安だったが、堤防からなので全力で投げる必要はない。投入はなんとかなった。なんとかなったが投げ竿に魚信はなし。ゆっくりサビいて駆け上がりっぽいところを探して釣ったのだが何もなし。投げ竿にかまっているとサビキ竿がフルフルと揺れてたぶんキュウリウオが釣れてくる。20センチ超えの大きいのはキュウリウオ確定として小さめサイズはもしかしてと期待したくなる。事前に調べてあった上顎後端が目の後縁と同じくらいの位置にあるのがシシャモだとすると疑わしいのが何匹か。シシャモだったらいいなぁっとキープしたが……。
15時くらいになり埠頭の先端で釣っていた達人さんが帰り支度を済ませて戻ってきた。「シシャモ釣れた?」と訊かれたので、「もしかしたらというのがいる」と発泡の中を見てもらうと「残念でした。全部キュウリウオ!!」。シシャモはもっと体色の黄色味が強く、「明石家さんまみたいな歯はない」ものらしい。「キュウリウオも干せば臭いが消えて美味しい。小型なのはシシャモって言って誰かにあげてもバレないよ」と教わったが、北海道の師匠宅に常備してあるというヨモギの茎でスダレ干ししてもらって自分で食べるつもり。本日の釣果はキュウリウオ16匹。投げ竿はガンズと釧路で呼ばれている魚が釣れたのみ。明日は船が出船中止になったのでアミコマセを買ってきてシシャモ再チャレンジをするつもり。
著者: へた釣り