悲しいうわさを聞いたよ、さっき/午前船は船中0だったって/ウソだと言ってくれウソだと言ってくれ/悲しいうわさはウソだと言ってくれ。この曲が釣っている間中、エンドレスリピートし続けた。カイワリ釣りはどうにもならない日が年に何度かある。今日はそんな日と諦めかけたら…始まった。
2026年のカイワリは初戦25匹と絶好調な幕開け。2戦目も20匹以上釣ってロケットスタートを決めたかったが、思惑は外れることの方が多いのが釣りだ。初島沖の天気予報は曇りだったはずだが、宇佐美駅に着くとドピーカン。潮が澄んでいる季節なので海中が明るいとカイワリはなかなか口を使ってくれない。夕マヅメ勝負かなという予測をしつつ港へと向かう。港に着くと午前もカイワリで出船していた治久丸が帰ってきた。「お役に立てませんで…」あまり釣果がよくなかったときの船長のセリフが聞こえてくる。釣果を確認すると午前船は船中0匹。反応はあるがビシを落すと消えてしまうという状況らしい。うわさではなく船長が言っていることだから悲しい事実である。今日は河津桜を見に来たってことになっちゃうかもと……。
いい凪の中、初島沖へ。ゆっくり走ってポイントに向かったので、途中でいい反応はないかと探していた? 水深100メートルで釣り開始となる。指示ダナはいつも通り底から8メートルまで。3メートル底を切って50センチ刻みで12回シャクって9メートルまでを探る。これを3往復だから36回シャクってビシにコマセが1/4ほど残るように上窓の開きを調整するのだが、底潮が動いていないようで、かなり開かないとコマセが出ない。3投目で魚信があったが、絶対にカイワリではない。サバフグだった。元気なのはフグだけで、大苦戦することになる。
シャクレどもシャクレどもクーラーに魚入らず、天を仰ぐな展開。ときどき魚が触れてくる感触はある。カイワリっぽくはないので、釣れていれば無視してシャクリ続けるのだが、この日のカイワリの魚信の出方が分からない。99%カイワリではないと分かっていつつ、シャクるのを止めて待ってしまう。そしてフグに針を取られてチャンスを失うという悪循環。フグ以外に釣れたのはサメだけという、ストレス耐性を鍛えるための時間が続く。午前船の0に続いて午後船も大撃沈の可能性は十分にありそう。船長は夕方になればとアナウンスしていたが、こうも魚の気配がないと……。
この日は33回投入できた。ようやくまともな魚の引きを味わえたのは19投目。魚信の出方はどう考えてもカイワリではない。キダイだった。完全ボウズだけは回避できたが、キダイを1匹だけ持ち帰ってもなぁとクーラーに入れるかどうかで悩む。船長の予告通り、日が傾きだすとやっと始まった。22投目で今度は間違いなくカイワリな魚信あり。引きもまずまずで、25センチ級と20センチ級の一荷で本命ボウズをようやく解除。魚信が続けばと期待したが、オキアミ有利でウィリーには塩対応のようで艫の名人がオキアミで何匹か釣っているのにへた釣りには卦もなし。再び沈黙することに。
本格的に始まったのは沖上がりの直前だった。28投目で小型ながらもカイワリっぽい魚信あり。魚が付いたのを無視してもう1シャクリするとサイズアップしたのが食ってきた手応え。ゆっくり巻いていくとさらに重量感が増していき、ドラグが少しだけ滑り出す。トリプル以下ってことはない重量感と引きを楽しみつつ手巻きで100メートル。25センチ級混じりのフォースで取りあえず3日分のお刺身確保という第一目標はクリアする。ウィリーに食ってきて追い食いするならツ抜けくらいはいけそうと思ったが、次の投入は20センチ級のシングル。その次は25センチ級ではあったが追い食いなしのシングル。もう一度魚信があったが、追い食い狙いより手返し優先と電動で巻いたらバラシてしまう。ツ抜けできず8匹でお終い。

著者: へた釣り