松田優作風に「なんじゃこりゃああ!」と叫びたい。理由を分析することはできるが、今日はしたくない。想像もしていなかった無残な結果を表す言葉は「なんじゃこりゃああ!」だけで十分だ。TKB51決勝で規定枚数の3枚すら釣れず。最大サイズは16.8センチ……なんじゃこりゃああ!
待ちに待ったTKB51決勝。今季のカワハギ釣りの総決算になるわけで、無駄に気合を入れて臨んだ。羽田・かみやの受付で席を引くと、右艫の2番目。風は北寄りで潮は下げなので潮先は艫寄りになるはずなので、特等席のようなもの。ハギポン、LT竿、PE0.3でこの数週間調子がいいものだから、そこそこやれるんじゃない?と思っていた。ダイワの人から大会のルール説明があり、船は定刻に港を離れる。
TKB51に参加している15隻の船は一度竹岡沖に集まり、合図とともにポイントに向かって走り出す。ほとんどの船が竹岡の根の方向に向かって走り出す中、かみやだけは大貫方向へ一人旅。船長はギャンブラーを自認するしゃちょう船長。いきなり逆張りで勝負を賭けたってことか? 実はへた釣り…しゃちょう船長のギャンブルでいい目に遭ったことが、これまで一度としてない。ひどい目に遭ったことなら何度もある。着いたポイントは大貫沖の水深10メートル。魚信がない!!
ポイントを何度か変えて、この日一度目の早掛け賞開始。水深は15メートルくらいになっていた。宙では魚信を出せずに錘を底に着けてみると、カワハギっぽい金属的な魚信!! ゆっくり竿を持ち上げて巻き合わせると、竿が曲がる。サイズはさほどでもないが、カワハギ間違いなしの引き。釣り開始から1時間近く経っての本日船中1匹目をゲットし、早掛け賞をもらう。ワンタン麺のカップヌードル12個入り。悪いなりにもハギポンパワーでなんとかなるかなと、この一瞬だけ思った。
その後はまたも沈黙。宙では全くカワハギが餌に触れてくる前魚信を捉えられず、焦れて錘を底に着ければ魚信はあるのだが、釣れてくるのはベラにトラギス、カサゴにオニカサゴ(小)。竿だけは頻繁に曲がる。でも、カワハギだけはお留守な感じ。船長から「29センチ出たよ」「28センチでたよ」ってな具合にアナウンスはあるのだが、へた釣りの竿に食ってくるのはゲストの皆さんばかりで、カワハギより先にカサゴで規定の3匹そろってしまう。
良型のカワハギを釣りあげているのは舳寄りの人ばかりで、潮先だと思っていた艫寄りは沈黙したまま。へた釣りと同じく艫寄りだったM上達人ですら苦戦していたようなので、実は潮先は舳だった??? へた釣りが2匹目のカワハギを手にしたのは11時を過ぎてから。この後から釣りをしていた記憶がないし、写真もない。頭の中では松田優作の声で「なんじゃこりゃああ!」「なんじゃこりゃああ!」「なんじゃこりゃああ!」がエンドレスリピート。ダイワの人から「そろそろ検量しますね」と言われて、嘘!! もう、そんな時間?と驚くことになる。カワハギは2匹のまま。今季最悪の貧果を楽しみにしていた大会で出すのだから勝負弱すぎる。
検量結果は16.8センチと15.5センチで32.3センチ。そんなド貧果でも今年のTKB51は終わった!!とならないのがこの大会の面白いところ。船中上位10人の平均がよければその船全員にクーラーやバッカンがもらえるチームバトルが残っている。29センチ級のカワハギが船中何匹か釣れていたので、他力本願ではあるが何かもらえるかもしれない。へた釣りには何の恩恵もなかったが、しゃちょう船長のギャンブルは成功していた。船は表彰を行う平和島の桟橋へと向かう。かみやの船が着いたのは、なんと表彰台の真ん前!! 金網越しに積まれた賞品を眺めながらひょっとしたら船対抗でクーラーゲットかも!!!!
横に着いた船にあべなぎさを発見。この時点でクーラーをもらえる気になっていたので、「クーラーもらったらサインしてください」とお願いしてみる。気持ちよく了承してもらえて、やっぱりあべなぎさっていい子だなぁ~っと再確認。船ごとの順位が発表される。3位、2位……呼ばれる船がどんどん表彰台の方に近づいてくる。1位は……なんと、かみやを飛ばして別の船。がっくし。サインをしてもらう約束もここで失効。かみやからは個人で1位と4位の人が出た。それでも船別で上位に食い込めなかったのは、「うちの船ほど数釣れてない船はない!!」(しゃちょう船長)ってことだったみたい。なんじゃそりゃああ!
著者: へた釣り