どうなってるんだよ! いったい!! アキアジ遠征2012は2日連続の完全ボウズ。手を変え品を変え、持てる引き出しは全部ひっくり返してなんとか1匹と努力はしたのだが、その1匹の遠いこと遠いこと。気分はすっかりアキラメモード。残すはあと半日だけ。アキアジの新しい群れ…来てよ!!
3時半に宿を後にし、日の出前には止別海岸に到着。アキアジはモーニングサービスありの魚。朝一、空が白み始めた瞬間の荒食いに期待していたのだが……昨日、お話をした釣り人に「朝はダメだった」と聞かされていた。案の定、今年の止別のアキアジはサービス精神が皆無の様子。浜で数本上がっただけで、朝マヅメタイム終了。北海道の師匠はメス1匹。へた釣りは魚信すらない。どうしようもない。やるべきことはやっているつもり。昨年よりいくらか釣り方も分かっているはずなのだが……分かっているのとできるのは違うってことだろうか?
朝マヅメがすぎても、ひたすらキャスト&リトリーブ。頑張ってるだろ、頑張っている人は報われべきだろ。グレちゃうぞ、暴れるぞ、やる気だせよ、目の前にルアーが通ったら攻撃するのが君たちの習性なんだろ。実際は釣れている人がいたら、ウキ下の長さやルアーの色、リトリーブのスピード、餌の付け方までチェックして、ひたすら真似をしてみたのだが何にも起きない。キャストしリトリーブを繰り返すこと2時間。暴れ出したい気持ちを抑えて、朝食を食べて少し落ち着くことに。荷物を置いてある場所に戻ると、北海道の師匠は雄雌1匹ずつ釣り上げ2匹追加。仕掛けはほぼ同じはずなのになんでぇ~~~~。
ポイントの選び方が間違えていた。大潮後の中潮なので、日の出の時間帯は満潮時間。へた釣りはロングキャストして広く探れる河口から離れた場所を攻めていたのだが、北海道の師匠は河口でじっくり粘って、スレ掛かり込みで釣果を伸ばしていた。バラシが何度もあったそうなので、明らかにポイント選択ミス。北海道の師匠の後ろついていけばよかったなぁ~とも思ったが、時合は去ってあとの祭り。宿が用意してくれたおにぎりを頬張ると、! ! 梅干し!! 梅干しのおにぎりと言えば道真公の呪いでボウズの符牒。しかし、北海道までやってきておにぎりの写真を撮っている段階で何をやってるんだか……。
その後もポイント選びが明暗を分ける。へた釣りの戦略は浜を見渡し、釣れている人を発見したらその場所に行ってキャストするというハイエナ戦法。大きな群れが回遊しているのならこの戦法でうまくいくだが、今年の止別海岸はとにかくあかんのである。「先週の12、13日に群れが入ってきて大漁だったんだけどね。その後新しい群れが入ってない。先週なんて目の前一面、アキアジの鰭だらけだったのに」。それでも釣る人は釣る。浜でアキアジが釣れていないときは北海道の師匠の近くで釣っていたのだが……すぐ横で竿が大きく曲がって本日4匹目。しかもイクラでお腹パンパンの雌ゲット。こうなるともう何が悪いのか分からない。間違いないのは運が悪い。
アキラメモードとはいえ、辛抱強くキャストし続けたへた釣りの竿にもようやくアキアジの魚信! ロングキャストにきたので、十二分にアキアジの引きを楽しみ、アキアジ用の竿を強烈にしならせながら浜に寄せてくる。姿は見えた。波打ち際からぶりあげた。ようやく手にした1本のはずだった。間に1人釣り人を挟んだ場所にランディングしたので、竿がぶつからないように前を通してもらおうとした瞬間。浜に上がったアキアジが暴れる。大きな波がやってくる。移動の際にラインが一瞬緩む。針が外れる。引く波に乗って……さようなら、僕のアキアジ。道真公の呪いって本当にあるとしか思えない。
著者: へた釣り