道東の釣り満喫ツアー2011も最終日。昼過ぎには飛行機に乗って、東京へと帰らなければならない。このまま北海道ならではの魚の引きを味合わずに帰っていいのか? 嫌だ。朝の6時前からゴソゴソとベッドを抜け出し、朝食までの短時間を虹別川上流で渓流の大物釣りに。
道東の釣り満喫ツアーの最終宿泊地は虹別という場所にあるヘイゼルグラウスマナーという超格好がいいホテル。大阪のアウトドア大好きのお医者さんが気合を入れて経営しているだけあって、食事は美味だし、ベッドはフカフカだし、ホテルの人たちは親切で人あたりがよいしと、個人的には道東唯一の三つ星ホテル。このホテルのもう1ついいところは、敷地内に虹別川という渓流が流れていることだったりする。
ベッドが抜け出してものの数分後には釣り場に到着。釣りをしやすいように草を短く刈り込んでくれている簡易釣り体験施設のような場所。3メートルの渓流竿にハリスを結んで、針にイクラを一粒付けて、アオダモの間を丁寧に流していく。調子のよい日だと、オショロコマというイワナに似た魚や、ヤマメ(北海道ではヤマベ)、時にはネイティブニジマスが飛び出してくる。
今年の北海道の魚たちはへた釣りを歓迎してくれる気配がないようで、30分ほど粘って何度も何度も仕掛けを打ち返したのだが……魚がいる気配を全く感じない。少し上流や下流に移動して頑張ったんだけど……ダメ。餌のイクラが全くなくならないで、「今年はダメだぁぁぁぁぁ!」と自分の釣り運のなさを嘆く。
■ホテルのサービス? 釣り掘で取りあえず40upニジマスをゲット最初のポイント、簡易釣り体験施設の横に直径3メートルくらいの小さな池がある。実はこの池、ホテルの釣りガイドさんが釣ってきたニジマスを放流してくれている。渓流にはなかなか入ってこない40upやときには50upの元ネイティブ・ニジマスが見える。大きな魚の引きに飢えているへた釣りは……こうなりゃ釣り堀でもいいから釣りたいと、仕掛けを池に放り込む。
大きなニジマスの鼻先にイクラを落として軽く上下させて誘うのだが、釣られたばかりなのか、それともスレてしまっているのか、なかなか口を使ってくれない。大きめの針に変更してイクラを3粒通し刺しにして、イクラルアーのようなものを作って目の前で動かすとようやく飛びついてくる。源流竿での40upニジマスのファイトは楽しい。竿は悲鳴のような音を立ててギュンギュンしなる。格闘すること約5分。ようやく空気を吸わせてランディング。道東の釣り満喫ツアー2011で最も強烈な引きを楽しませてくれた。
著者: へた釣り