こんなはずじゃ…なんてこと釣りにはよくあることだが、動画撮影デビューの日くらいはもうちょっと好い目を見たかった。宇佐美・治久丸から午後カイワリ五目プチ遠征。前回釣行で自己最多記録を18匹に伸ばし、いい手応えを掴んでいるはずだったのに…本日は宇佐美の魚、やる気全くなし。
動画初配信はブログの最初の記事と同じ、カイワリ五目でやろうと験を担いでの釣行。品川駅から8時30分くらいの東海道線で熱海駅へ。熱海駅で少し早い昼食をとり、宇佐美駅には11時ちょうどくらいに到着する。集合時間は12時なので余裕がある。駅から港までは徒歩15分くらい。小雨がパラついており少し肌寒い。例年なら既に海開きしているころだが浜で遊んでいる人はほとんどいない。曇天模様のせいもあるのだろうが、夏のというより冬の海に見える。でも、曇天は魚の活性を上げることが多いのでむしろそんな天候を歓迎して港を目指す。
指定席の右舷舳は午前船から連荘の人が入っていたため、左舷の舳に。右舷の人に午前船の様子を聞くと相当渋かったそうだ。船長にも確認すると「いい人で6枚」とのこと。お気楽極楽な人なので、6匹も釣れてるんだからなんとかなるだろうと考えてしまう。胸にGoProを装着できるようにし、クーラーにも吸盤式の三脚を設置する。この時点ではカイワリを釣ることにはさほど不安を抱いていない。ちゃんと動画が撮れるだろうかということばかり気にしていた。そういう集中力の欠如を海の神様は見逃しはしない。罰のような時間を過ごすことになる。
船は12時20分に出港し、初島近くの水深90メートル前後のいつものポイントを目指す。凪の予報だったが、少し風が吹いており、飛沫を被る。船が止まれば釣りづらいというほどの船の上下はなかった。ビシが着底したらハリス分底を切って50センチ刻みのスティ0シャクリで18回(9メートル)探る。魚信がなかったら落とし直して今度はスティ1秒で。それでも魚信がなかったらスティ2秒で誘う。3往復したらコマセを詰め替えるために仕掛けを回収。これを繰り返して魚が食ってくるシャクリを見つけるのが定石なのだが……一度として魚信がない。仕掛けを回収すると針がよくなくなっておりフグがいることだけは分かるがそれ以外に魚からのコンタクトはなにもなし。なにもないまま1時間がすぎ、2時間がすぎ…とうとう3時間。その間に釣れたのは着底した瞬間に食ってきたムシガレイとヒメだけ。
船長は口を使ってくれる魚の反応を探して水深60メートルから110メートルまでこまめに移動してくれるのだが、宇佐美沖の魚はフグ以外団結してハンガーストライキ突入中のような雰囲気。心が折れ始める。置き竿にせずにシャクリ続けてはいたが釣れるという期待感はしぼんでいた。15時40分、シャクった直後に穂先を引き込む魚信。針掛かりしたら大きな声で「やっときたーーーー!!」と叫ぶ。魚信の出方からしてカイワリではないのは分かっていたが釣り始めて3時間目にしてようやく訪れたまともな魚の手応えである。底から8メートルくらいで食ってきたのでチダイかな?と巻いていたら、水面下にきれいな模様のヒレを広げた魚の姿が。ホウボウだった。ホウボウってあんなに浮くことあるんだなとビックリ。
ホウボウが釣れたら少し魚が元気になった。次の魚信は底を取り直そうとクラッチを切って仕掛けを落としている最中にあった。底に着いてないはずなのにラインに糸フケが出る。スプールを指で押さえて止めて聞いてみると穂先をグーッと持って行く。巻き上げ最中には激しく抵抗する。30センチくらいのチダイだった。その直後に今度はシャクった直後に穂先を小気味よく持って行く魚信。「今度こそカイワリでしょ!!」と宣言してから巻き始める。重量感はないがときどき鋭い引き込みをみせるのがカイワリの特徴だ。25センチくらい。本命ボウズはなんとか逃れた。これが午後船唯一無二のカイワリだった。最後に中層にいたウルメイワシに仕掛けをグチャグチャにされて本日終了。カイワリ、チダイ、ホウボウが1匹ずつと貧果ではあるが……最初の3時間の手応えだと完全ボウズ(魚信すらなし)もあり得る雰囲気だったので、なんとかなったと安堵の方が大きいかも。
著者: へた釣り