寒かったぁ。シトシトと降り続くいかにも梅雨時の雨。最初こそこれくらいの雨ならと余裕があった。でも、レインコートから少しずつ浸み込み肌に触れる衣類まで濡れると寒い。寒さは集中力や気力を奪っていく。剣崎沖のイサキはそれなりに元気で今季初のゴンズイ玉(=36匹)を達成した。
雨は気にしない。だってイサキ日和だもんなんてことを書いた以上、弱音を吐いてはいけないけれど、釣りをしながら雨に少しずつ心と体を削られていく。竿を握ればニコニコしていることが多いのだが、さすがにぐったり。朝は雨が降っていても覚悟していたことなので元気だった。雨の日モバイルトレインクーラーあべなぎさ号を引っ張り金沢八景・一之瀬丸へと向かう。あべなぎさ号の出来は申し分ない。愛いヤツである。1日雨予報の今日なら空いているだろうと思っていたが、席札の残りは意外と少ない。片舷7人で出撃。雨を避けて船室に入る。1時間弱で剣崎沖へ。
剣崎沖はメインの根の周辺にイサキ船団ができている。船長お得意の一人旅がでるかなと期待したが、今日も大人しく船団の外側に合流する。2週連続でこのパターンなのでほかの根はあまり期待できないってことなんだと思う。タナの指示は18メートルから12メートル。雨は止みそうにない。早く結果を出してイサキ釣り楽しい~~~と気分を盛り上げたいところ。50センチ刻みでスティ時間を1~3秒で探ってみると、魚信は出たがイサキっぽくない。小型のオキメバルだった。スティ時間を長くするとオキメバルが食ってくるのでシャクリのテンポを上げる。
スティ1秒を基本に辛抱強くシャクリ続ける。我慢の時間が続く。何か別の手を打つべきかと悩み始めると、シャクった直後に竿先をプルルと震わせる、ウィリーにイサキと思われる魚が触れてくる感触。この日は食い込みが悪いようでプルルという手ごたえだけ残して去っていく魚が多かった。9時10分に1匹目のイサキを手にする。その後はダブルありでまずまずペースで釣れ始める。イサキの群れは船の下を出たり入ったりしているようで、パタパタと釣れたら沈黙。しばらくするとまたパタパタと釣れるの繰り返し。群れが入ったときにコマセ切れは最悪なので、コマセをほとんど出ないように絞って勝負。寄せるコマセは他人に任せてクワセるコマセを途切れずに撒く。
どこかのタイミングで活性がアップしてイサキの入れパクタイムが訪れるかなと期待していたのだが、イサキのご機嫌は終日この調子でパタパタ→沈黙→パタパタの繰り返し。狙って追い食いを発生させるのは難しく、単発で拾っていくという釣りになる。雨中の耐久シャクリレースって感じ。心が折れてシャクリを止めると脱落していく。こういう技術ではなく根性を競うのは割と得意な方なので、なんとか沖上がり30分前まで、イサキをポツリポツリと拾っていける。今季初のイサキのゴンズイ玉ができて数えてみれば36匹。上々の釣果とは言わないが、7月上旬の釣果としては悪くない。
沖の瀬に転進せずに1日剣崎沖でイサキを狙って釣れるようになったのがうれしい。沖のウィリー五目も楽しいが、梅雨時に旬を迎えるイサキは6月~8月の期間限定の釣りものなのでできればイサキ1本勝負が希望だ。出船前に船長に「そろそろ電動リールを持って来なくても大丈夫ですか?」と聞いてみたが「なるべくなら行きたくないんですけどねぇ」とのお返事。まだ、剣崎で大丈夫と太鼓判を押せる状況ではないようだ。昨年は台風後にウリンボの群れが剣崎沖に入ってきた記憶があるので、太平洋上にある台風3姉妹にちょっと期待していたりする。
著者: へた釣り