狙っていた娘に告白する前に、高嶺の花と諦めていた女の子がいきなり胸に飛び込んできてすっかり調子が狂ってしまった。GW伊豆合宿4日目のウィリー五目2戦目はそんな釣りになった。本命のカイワリ、イサキ、アジは1匹も釣れず、代わりに47センチの人生最大のマダイを釣った。
宇佐美沖ウィリー五目の初戦は、アジ、イサキと本命をそれなりに釣り上げ、ウィリーの練習に最高だなと思っていた。あと3戦チャンスがあるので、数、型ともに伸ばしていければいいなぁと、釣れない予感は全くなかったのだが……伊豆の海はそこまで甘くなかった。小雨降る中、4時半に宇佐美港へ。片舷4人で船長からの指示で左舷の舳から2番目の席に座る。まだ少し薄暗い中、宇佐美・治久丸は大崎堤防沖のアジのポイントへ。
大崎堤防沖は大型アジのポイントであり、もう少し水温が上がるとカイワリも混じるポイント。30センチくらい鋭くシャクって2秒待ちのアジパターンで釣り開始と思ったら、一投目で底からリール2巻きしてコマセを振り出そうとした瞬間! 竿先がゴンッと持って行かれる。リールを巻こうにもドラグが滑りまくって巻き上がらない。ハリスは2号、慎重にやり取りしてなんとか水面近くまで寄せる。白い腹が見える。馬鹿でっかいメジナ? ハリスを手繰って水面に浮かせてみると……マダイ! しかも50センチ近い!!!
自分でタモ取りしようと頑張ったのだが、水面で暴れまくってなんともならず、横の人に助けていただく。のっこみ時期特有のきれいな色をしたマダイ。47センチあったので文句なしに人生最大サイズ。ちょっとというかかなりうれしい。アジ釣りなんてそっちのけで写真を撮ったり(船長さんにも撮ってもらった)、ちゃんと血抜きをして締めたりで、アジの時合を完全に逃す。高嶺の花をゲットして有頂天になり、転落人生の始まりなのであった。この日のアジはウィリーにはなかなか食ってこないようで、舳で釣っていたよく治久丸でご一緒させていただく釣り(特にカワハギ)名人でも2匹と苦戦。時合を逃したへた釣りには……卦もなし。餌釣りでも相当渋かったようだ。
船長は「メジナがこなかったのでアジいけると思ったんだけどなぁ~」としばらく大崎堤防沖で粘ったのだが、魚信は遠い。アジがダメならと初島沖のイサキに本命変更。少し海が荒れていたので飛沫を被りつつイサキ船団に合流する。タナは上から38メートル。40メートルくらいからコマセを振り出し、50センチシャクっては3秒停止を続けていたのだが……掛かってくるのはスズメダイばかり。スズメダイより少しましな魚信があってもタカベが釣れるだけ。アジに続いてイサキもへた釣りのウィリーには反応してこず、餌で釣っていた人が数匹釣っただけ。
時間だけが過ぎていく。気分転換を兼ねてトイレに行くと、船長と目が合う。「ダメだねぇ~。サンハトヤ沖でカイワリ狙うか!?」。大賛成である。ここまでどうにもならないとカイワリ釣って一発逆転を夢見るしかない。で……サンハトヤ沖…へた釣りが伊豆で釣ったカイワリはすべてこのポイントで釣ったもの。当然、期待は高まるのだが…一発逆転狙いのギャンブルなんてうまくいかないものである。30センチ刻みで強めのシャクリを繰り返すとコンコンという魚信。何かが針掛かりしたのは分かるが全く引かない。サクラダイの鈴なりコイノボリの連続に完全に気力が尽きる。ムロアジも釣れたが……本日はマダイに始まり、スズメダイ、サクラダイと○○ダイに愛されまくって終了!!
著者: へた釣り