深場の勇者様に連れて行ってもらって白間津シマアジ5戦目。過去4戦で25センチくらいのを1匹だけ。釣った本命の数より失くしたビシの方が多いという体たらく。でも、今度こそ釣れそうな気がしていた。凪の予報で前々日まで特大混じりで絶好調。竿を出すまでは意気軒昂だったが…。
3時少し前に勇者様に迎えに来ていただいてちょうど1年ぶりの海正丸。日の出前の港は真っ暗なはずだが、この日は満月で、月のすぐ下には火星。星がほとんど見えないほどに明るかった。釣り座は左舷艫から並んで。大艫を譲っていただく。目標は1キロ超えのシマアジを釣ること。6キロ、7キロなんて分不相応なことは考えず、カイワリと見間違うことのないサイズが釣れたらドヤ顔決めてやろうと考えていた。でも、万が一があるのでクーラーは60リットル。船中一番大きなクーラーを持参しての乗船となってしまった。
港を出た船はいつも通り少し沖にあるテトラポット近くのポイントへ。指示ダナは海面から出て12メートルから上。船長によれば暗いうちは小型の数釣りとなる可能性が高く、良型は8時半以降とのことだった。とはいえ、良型が来ても大丈夫なようにフロロ8号の2本空針仕掛けで釣りを開始する。オキアミ餌なので、シャクったあとのステイ時間は長めに10~20秒くらいとって50センチ刻みで10シャクリだから5メートル幅を探る。シマアジじゃなくてもなにかは食ってくることが多いが…なにも魚が触れてこない。
魚信が遠く我慢に釣りになることを覚悟した。右舷大艫のスピニングタックルの常連さんだけ小型ながらもシマアジを釣っている。何が違う?とは気になったが船上で他人の真似をして上手くいった験がないので自分なりの、でもいつもよりステイ時間長めのシャクリを続けたが埒が明かず。オキアミは苦手とフロロ6号のウィリーの仕掛けにチェンジ。これが功を奏したのかそういう時合だったのか探っているタナの上限あたりでこの日初の魚信あり。ドラグを出されるほどではないがそこそこの重量感のある引きをする。シマアジとスマの一荷だった。本命ボウズは回避したが…シマアジを釣ったと自慢できるサイズではない。スマは初めて釣った魚なのでうれしいがこちらもサイズは35センチくらいと小型。
この日の勇者様はアキュフィッシュ対応の探見丸をチェックしながら良型のいるタナを直撃するという釣り方。「58センチがいる」「45センチはシマアジかな?」と探見丸を見ながら海中の状況を実況してくれる。いるから食うほど甘くはないがシマアジとスマの一荷も「いい反応だよ」という予告の直後に発生した。9時近くになり船長が言っていた良型のチャンスタイムに突入した。ハリス10号だと太すぎると指摘されてハリス8号の1本針仕掛けを投入したのだが……勇者様の予告は「イサキだよ~」。シャクると確かにイサキがすぐ釣れる。1本針なのでイサキが掛かると回収するしかない。イサキしか食ってこない1本針の効率の悪さに仕掛けをウィリーに戻す。
序盤から苦戦であったが、中盤以降は大苦戦、終盤はすっかりお手上げ状態に。中盤でまイサキやメジナがポツポツ釣れていたがいずれもサイズは今一つ。南房らしいガツンと来る魚信はないものかとシャクリ続けたがガツンと来ない魚信すらなくなってしまった。潮が全く動いていない感じで勇者様から「イサキの反応はあるよ~」と予告があってもなにも触ってこなくなった。昨日あたりから潮が濁ってしまったらしくシマアジ含めすべての魚がご機嫌斜めになってしまったらしい。勇者様いわく「良型に関してはチャンスほぼなし」とのこと。へた釣りはシマアジに相当嫌われている気がする。
著者: へた釣り