メバルもアジもいい日にあたれば難しく考えなくても釣れてくれる。厳寒期の痺れる釣りを乗り越えたご褒美に桜が咲く時期、午前メバル→午後アジで春の海ひねもす癒しの釣りを企画するのだが…いい日にあたらないのが今年のへた釣りである。癒し要素ゼロで心身鍛錬の一日に!!
気温からして大外れである。予報では最高気温13度。真冬の寒さとはいわないがしっかり防寒対策をしておかないと釣りにならない寒さである。上着はさすがに少し薄くしてもいいかな?と玄関を出てみると、思い直して一番防寒性能の上着を着ることに。始発を乗り継いで金沢八景・一之瀬丸を目指す。午前メバルは席札は数枚しか残っておらず右舷の舳から二番目、午後アジは右舷の大艫が空いていたので珍しく後ろの方で釣ることに。
4月1日に横須賀沖のメバルが解禁された。猿島沖で釣れるメバルは25センチ超の煮付けサイズが混ざるので、猿島沖直行が希望だったが……船は南へではなく北に向かい神奈川県警ヘリポート近くで減速する。西村船長が選んだポイントは福浦岸壁だった。予報では風は5メートル以下に落ちているはずだがもう少し吹いている感じで、岸壁近くだと返し波が発生するので立って釣るのが苦しいほどに船がグラグラ揺れる。船長の指示は「仕掛けは動かさずに待つ」だった。波の上下に合わせて穂先の曲がりが一定になるように竿を下げたり持ち上げたり。頑張って体幹トレーニングしていると、メバルが食ってきた。
用意した仕掛けは枝間80センチで枝ス40センチの良型メバル一荷狙い仕掛け。一番下の針はオモリから60センチ離してあり可能な限りカサゴは釣らない仕様になっている。メバルが下針にしか食ってこないようなら枝間を狭めた仕掛けを変えようと考えていたが、狙い通りにダブル発生。一番上と下の針に食ってきた。続くダブルも一番上と下の針。三度目のダブルは真ん中の針と一番下。苦行のような体幹トレーニングの最中のわりには順調に数を伸ばせていたが、風が収まり釣りやすくなってくるとなぜか失速する。一番下の針で1匹ずつしか釣れなくなって、メバルは15匹で終了。最大サイズは22センチくらいまでと物足りない。
午前・午後船なので一度桟橋に戻って休憩。午前アジの釣果を確認すると竿頭で18匹と苦戦した様子だった。半日アジは2釣行連続でツ抜けせずという体たらくなので、取り合えずの目標を10匹に設定したが、この時点では10匹くらい釣れて当たり前くらいに思っていた。船は北上し幸浦沖で何度か減速、加速を繰り返す。アジの活性があまりよくないときのパターン。ようやく船が止まる。指示ダナは底から2メートル。アジの群れが寄るまで頑張ってコマセを撒くのがアジ釣りだがビシを落とすと反応が消えるという状況らしく1匹目を釣るまで結構時間がかかった。1匹釣れたから続けて…というわけではなく、2匹目までまたも間が空く。救いは釣れれば20センチ超えだったことかな?
幸浦沖では盛り上げることなく南本牧埠頭へ。アジの実績があるポイントだが釣況はあまり変わらない。コマセを頑張って撒いても船下にアジの群れが着くことはなく、通りすがりのアジが釣れてくれるような雰囲気。釣れるサイズもまちまちで、15センチくらいの小型も混じって南本牧で4匹追加。時間はあるのでツ抜けくらいはとまだ余裕があったが……八景沖に移動すると精神修養の時間が始まる。コマセを撒けども撒けども全く魚の気配を感じない。同じようにコマセを撒いていては埒が明かないと考え、30センチ刻みで小刻みに撒くマシンガンコマセやビシでアジを驚かせないようにフワフワと撒いてタナで待つなどあれこれやってはみたが……びっくりするほど何も起きない。最後まで頑張ったけど八景沖ではイシモチ2匹と何かの間違いで小型のアジを1匹追加できただけ。これで半日アジ3連続でツ抜け失敗。
著者: へた釣り