RPGのキャラステータス風に考えると、へた釣りに足りないのは器用さと運。江戸前刺し盛り三点盛りを狙って金沢八景・一ノ瀬丸の午前アミ五目。アジは大中小サイズ混じりで53匹、ほかはメバルのみ。帰港後船長に「ほかの魚はどうやったら釣れるの?」と聞くと「運」と即答される。
木曜の夕方時点で午後アジを除いてほかの船はすべて予約締切と大盛況の一ノ瀬丸。朝確認すると午後アジも予約締切になっていたので、釣れなくても残業なし決定。受付を済ませて船の乗りこんでみると、あれ?空いてる??? というのは初心者あるあるで、貸し竿の人は桟橋まで来ていてもなぜか船にはなかなか乗らない。出船前に瀧本船長にマダイの状況を聞くと「昨日はイナダ船で後半八景沖でマダイを狙って船中7枚」だったそうだ。「ここぞというときは一掴みでいいからコマセにオキアミを」とアドバイスをいただく。
午前アミ五目の船長は、ウィリーシャクリの先生だった。15分ほど走るとのアナウンス。風5メートル以下で凪と思っていたが、風向きが悪いのか船はドッタンバッタンで結構飛沫を被る。時化るとすぐにマグロ化する妻1号と釣行しなくてよかったという海況だった。すぐに反応が見つかった。「タナは底2~3メートル」との指示で釣り開始。仕掛けは3本針で枝針2本はムツ針でイカ短、下針だけオキアミの全長3メートル。タナ3.5メートルから始めるとすぐに微妙な魚信があり小アジが3本針に3匹、続いて小アジが3本針に3匹、その次も小アジ2匹。3投で小アジが8匹。妻1号の30匹チャレンジなら好スタートといえるのだが…。
最初のポイントでは小アジしか釣れずに小移動。次のポイントも小アジでスタートしたが、ようやく穂先をグンッと持っていく魚信があり20センチ超え。小アジの下に中アジがいるようで、タナを低めの2メートルにすると中アジを狙って釣れるようになる。小アジさえかわせれば中アジの活性は悪くないようで、ダブルが何度かあり、一度だけだが25センチ前後のA5ランクアジのトリプルも。1時間ほどアジの入れ食いタイムが続く。15センチくらいのメバルが釣れて二目め。その直後にドラグが滑るいい手応え。止めようと少しドラグを締めたら切れた。チモトでというより少し上でスパッと切られた感じだったので、ヒラメかな? ポイント移動の合図があったのでクーラーに魚を移しながら数えてみるとアジ40匹+メバル1匹。
アジは十分釣ったのでできればほかの魚をと以降のポイントでは、コマセにオキアミを混ぜる。ビシの設定は下を全閉で上窓を全開。シャクればオキアミがポロポロとこぼれる感じに。魚信の間隔は少し空くようになったが、小アジ混じりでアジだけは釣れてくる。「サバを狙いたいならタナを5~6メートル」という指示があったのでタナをあげてみたが、そのタナでもアジが魚信ってくる。ようやくサバっぽい魚信があったが……丸々太った美味しいサイズではなくやせっぽっちの中サバ。三種盛り達成と喜ぶにはアレな魚だったのでリリースする。その後、オモリが着底し底を切っている最中に魚信がありカサゴ。これまた三種盛りの一種に数えるにはあまりにサイズ不足だったのでリリース。
ポイントを何か所か移動し、どのポイントでも「マダイの実績あり」とアナウンスがあったので、船長もアジではなくマダイを狙っていたと思われる。小アジの魚信が減ったのでオキアミのエサ持ちがよくなってきた。あまり誘わずに少し高めのタナで待ってみたのだが、船上でじっとしているのが苦手なのですぐに飽きて、結局コマセを撒いて誘いはじめてしまう。「小さいけれどマダイが釣れた」というアナウンスがあった。魚はいるのでノーチャンスではない…はず。もしかして? という魚信があった。絶対にアジ以外のなにかという手応えに「よっしゃー」と騒いだが…本日最大の尺アジ。最後までアジだけは釣れ続け、アジ53匹+メバル1匹で終了。あと一目が釣れずだたが、アジ釣りとしては満足。
著者: へた釣り