金沢八景・一之瀬丸のウィリーシャクリの先生。イサキの自己記録を更新した釣行で席が横になったので、いろいろお話を聞かせていただいた。ウィリーシャクリの先生は船長のお手伝いもするし、釣り方の指導もするし、オマツリしたら飛んできて解いてくれるし……上乗りさんなのかな?
へた釣りは人に釣り方を聞いても、なかなかその通りにできない。生来「あーしろ、こーしろ」と言われるのが嫌いな上に、「こうしなきゃ釣れない」と言われると「下手でも釣れるときは釣れるもん!」と駄々っ子モードに入ってしまうのである。釣りの上達という点においてはあまりよくない性質だと自分でも思う。一方で、自分であーでもねぇ、こーでもねぇと悩み、ちょっと釣れたら「分かった!」と勘違いをするのでブログを書くのには実に適している(笑) で、ウィリーシャクリの先生(と勝手に命名した人)から聞いたイサキ釣りにおいて気を付けることをメモ。
まずは道具について。竿に関してはへた釣りは操作のしやすさという点で、7:3調子で穂先が柔らかめの30号竿が最適という結論に至ったのだが、この竿を触った先生に「まだちょっと硬すぎるかな?」と言われてしまったという話は釣行記でも書いた。では先生オススメの竿はというと、6:4調子のライトタックル。アルファタックルの「MPG ULTRA CROSS TAPER TITAN F6」という竿を使っていた。穂先のしなやかさとビシを跳ねさせずにピタッと止められる調子がイサキのウィリーシャクリにぴったりなんだという。へた釣りも6:4調子のライトタックルなら「ベイゲーム ライトM190」を持っているので一度使ってみようと決める。
天秤についてもダメだしされた。へた釣りはウィリー釣りには柔らかい「リーディングアーム」という天秤がいいと信じていたのだが、弓型に反った普通の船天秤の方が「クッションとして機能するのでいい」そうである。「アームは30センチもあれば十分なので、食いが浅いとき対策で線径の細めのものも用意しておくといい」とのアドバイスも。へた釣りは線径1.6㎜の天秤を使っていたのだが、それより細いものでアーム長30センチのものを1個買って、次回の釣行に持って行こうと決める。
シャクリ方はイサキの釣果を左右する最も重要なファクターだ。とにかく海中でビシを動かし過ぎずにピタッと止めること。ウィリー釣りの極意はこれにつきる。竿先が跳ねるくらいなら食わせの間なんか作らずに止めずに動かし続けた方がいいこともある。ウィリーにイサキが触れている感触があるにも関わらず針掛かりさせられないことを「シャクリの上手下手が原因」と説明された。「ピタッとビシを止められれば、ハリスが常時張った状態を維持できる。ビシが海中で跳ねると跳ねている間はハリスはテンションを失っているのでウィリーを咥えるイサキがいても針掛かりさせられる確率は低い」。
では、海中でビシが跳ねないシャクリ方はというと……「ビシを振って止める前に力を抜く」。あっ!……最初は男で少しずつかよわい女になっていく…おねぇシャクリ改と同じことを言っていると気付いて少しうれしくなる。グッと竿先が入るように強めに10センチシャクってその余力で残りの20センチを動かす。制止する前には完全に力が抜けている状態になっていれば、確かにイサキの魚信は増えたし、上顎に針掛かりするようになったので、おねぇシャクリ改の精度を上げていくのが次回釣行の課題だ。
釣り座の問題がイサキ釣りでも大きく釣果を左右することを知った。へた釣りが54匹釣ったとき、舳の人は60匹超え。艫はというと一ケタ釣果だったみたいだ。「イサキの付く根が限られていて、さらにイサキは潮の流れが根にぶつかる後側に群れている」。では、どこがイサキのいる根かというと「松輪の船(成銀丸、大松丸、棒面丸)がいるところがメインの根の潮下で一等地」。風向きによって船が舳先を向ける方向は違うが、松輪の船がどの方向に見えているかによって潮の流れが予想できるってことだろうか? 自分の釣り座が有利なのか不利なのかによって、コマセの振り出す量を変えていく必要があるらしい。
また、松輪の船が沖あがりになる午後1時からが東京湾出船の船にとっての剣崎沖イサキのチャンスタイムと考えていいようだ。「午後になって終了時間の前に活性の高い群れに当たることって多いでしょ?」と言われてみれば、確かに最後の一頑張りでイサキがパタパタと釣れたという経験は何度かある。「イサキって胃袋の小さい魚なので、朝からずっとコマセを食べてお昼すぎにはお腹いっぱい。2時とか3時過ぎてからもう一回活性が上がる」ことがあるんだという。午前が不発でも諦めちゃダメ。松輪の船の「お疲れさまでした」というアナウンスが聞こえたあとに一等地のポイントでひと勝負できる可能性が高いってこと?
著者: へた釣り