釣りを始めて9年。これまで経験したことがないレベルの速潮にどう対応したらよいのか分からず成す術なし。船長いわく「潮1.5ノット」。5倍すると10秒間に流れるメートルなので10秒で7.5メートル。仕掛けとコマセを同調させる方法をあれこれ試してみたが、カイワリ1匹だけと撃沈したよ。
I崎タコ名人から「お土産持ってくね」とお声掛け頂いたので今回は宇佐美駅11時30分着のギリギリ電車ではなく、11時前に到着する電車に乗って、宇佐美・治久丸を目指す。来宮駅のホームで電車と人が接触するという事故が起きて、余裕で到着のはずが26分遅れで宇佐美駅着。大急ぎで港を目指す。I崎タコ名人は待ってくれていた。今シーズンラストキンメの釣果から2匹お裾わけ頂いた。竿出す前からクーラーの中に高級魚が入っているわけでこれはうれしい。でもってこの日は釣果に恵まれなかったので、I崎タコ名人からお土産もらってなかったらと考えるといくら感謝してもしたりない。
釣り座は治久丸でほぼ指定席になっている右舷舳。準備をしていると船長がやってきて最近の釣況を説明してくれる。あまりいい情報ではない。「とにかく潮が速すぎて…反応はいつ入れ食いになってもおかしくない感じなんですけどね~」。潮が速くラインが鋭角に入っていくのは剣崎沖のイサキで慣れているので、なんとかなるだろうくらいに考えていたのだが…宇佐美沖の速潮はかつて経験したことがないレベルのぶっ飛び具合だった。港を離れた船は大崎堤防沖で一度減速した。浅いポイントをやるのかなと慌てて仕掛けを用意したが、減速しただけで止まらずに、いつも通り初島近くの水深90メートルのポイントで釣り開始となる。まずは2.5号の仕掛けを投入し、50センチ刻みのスティ0~3秒で魚信がでるシャクリ方を探る。
潮は少し速いかなという程度で船長が騒ぐほどのぶっ飛び具合ではない。潮が速い時はコマセの出をさらに絞る(撒きすぎると魚を遠ざける)、30センチ刻みで弾幕を張るようにコマセを振り出すといいことが多い。なかなか魚信が出せないので仕掛けを2号の物に変えるとすぐに効果があった。モゾリと魚が触れてくる感触があり、竿の動きを止めるとグンッと穂先を持って行く。掛かり所が悪かったのか巻き上げ中、残り20メートルくらいで暴れられてバレた。一度でも魚信が出せればやってることは間違えてないという自信になる。釣り始めて1時間半くらい経った14時少しすぎに二度目の魚信。今度は無事に魚を取り込めた。25センチくらいのお刺身適合サイズのカイワリだった。
1匹カイワリを手にし、辛抱強くシャクリ続ければなんとかなりそうという手応えを掴んだが魚信があるといっても間が空きすぎるので、「アマダイ狙ってみましょう」と水深120メートルくらいのポインントに移動する。オモリが着底したら50センチ巻き上げてフワリフワリ少しずつリールを巻きながらと誘う。すぐに魚信があり、定番ゲストのキダイ。キダイばかり釣れるのでタナを下げる。オモリが着底した状態からフワリと誘うといい手応えの魚信。少し待ってから竿を立てるといい具合に竿がしなる。アラフォーのでっぷりした熟アマダイをゲット。その後キダイと一荷で25センチのアマダイを追加する。1時間半でアマダイ2匹ゲットはまずまず。
カイワリは日が傾くと活性が上がり、沖上がり間際にパタパタと釣れることがある。当然、何匹かは追加できるつもりでいたのだが、カイワリ釣りに戻ってみると潮がぶっ飛んでしまっていた。釣りづらいなんてもんじゃない。竿先がほぼ真横を向いてしまっている。上手くシャクレないし、コマセと仕掛けが同調している感じが全くしない。臭いだけで魚を寄せようと遂にはコマセが1粒も出ないようにビシの窓を閉じてシャクリ続けたがカイワリどころか魚からのコンタクトはなく、沖上がりの時間に。釣果報告に「潮が速すぎる」と書いてあるときは釣行を回避した方がいい気がした。
著者: へた釣り