釣れる気でいたって? 釣行する以上当然。何を根拠に? シャクる釣りだから経験値がゼロではない。深場の勇者様のアシスト付きだしね。結果は? 釣れなかった。シマアジかもという魚信は一度だけあった。イタズラでハリス3号で釣っていたので瞬殺された。メジナとイサキは釣れた。
勇者様に午前3時に迎えてきていただいて南房の白間津を目指す。5時集合の5時半出船。アクアラインを通るのなんて何年ぶりだろ? 南房どころか千葉の船に乗るのはこれが初めて。房総半島の先端なんて車で何時間もかかりそうなイメージだが、夜間の自動車専用道路は空いている。信号もないので非常にスムーズ。4時少しすぎには最寄りの釣り具屋に到着し、付け餌を購入。5時前には白間津港に到着した。海正丸は予約時に釣り座も指定できるようで、右舷の艫に勇者様、左舷の艫にへた釣りが座る。右舷は5人、左舷は3人の8人での出船となる。
ポイントは港を出てすぐだった。船長からの指示は「13メートルから10メートル」。探る幅は3メートルしかない。勇者様から「ここのところ活性が低いので3メートルの仕掛けでやりましょう」とのアドバイス。ウィリー3本+空針1本の4本針仕掛けを投入する。朝一の時間帯はシマアジのチャンスタイム。50センチ刻みで鋭くシャクる。スティ0では魚信なし。スティ1、2という風にクワセの間を少しずつ長くしていくと、ガッガッと穂先を揺らす魚信。竿をゆっくり立てるといきなり穂先をグンッと持って行く。いい引きをするので「キター!!」と気合を入れて巻き始める。シマアジの引きを知らないので小ぶりのシマアジかもと嬉々としてリールを巻いたが、水面に現れたシルエットは黒い。30センチ超えのメジナだった。
最初のポイントではもう1匹メジナを追加して、移動する。次は「21メートルから18メートル」との指示。やれることは限られている。ここでも50センチ刻みのスティ0から順に試してみるが、魚信なし。勇者様の竿にいい魚信。35センチくらいのイサキが釣れる。それも立て続けに3匹同じくらいのサイズのイサキを釣る。この間、へた釣りの竿には全く魚信なし。少し長めのスティ時間を取っているのを確認して真似してみるとすぐに魚信があったが、イサキっぽくない。35センチくらいのメタボメジナだった。…メジナしか釣れないことにちょっと苛立つ。
イサキを釣ろうと繰り出した策がこの日の最悪の一手となった。イサキなら40センチでもハリス3号もあれば上げられる。ハリス3号450センチの仕掛けを持っていっていたのでこれを投入する。タナに合わせて1シャクリめで穂先に変化。次のシャクリの準備をしようとしていると信じられないくらいの引きで竿がのされる。きつめに設定してあったドラグが少しだけ出る。なんとか止めることには成功。でもハリス3号では無理はできない。ゆっくり竿を立てて巻き始めるとすぐにまた猛烈な引き込み。竿を送ってなんとかしのいだが、もう一度竿を立てようとするとブツッといういやな手応えを残してハリス切れ。姿を見ていないので魚種は不明だが3号のハリスでは絶対に獲れない何かはいた。勇者様いわく「ここはハリス5号が最低必要ですよ」とのこと。無念。
一度いい魚信があったわけだからまた来るはずと信じて、シャクリ続けるが、ここから勇者様とへた釣りのこの釣りに関するレベルの違いがはっきりでた。勇者様がマダイ、ウマヅラハギ、良型イサキを追加していくのも尻目にへた釣りは釣れども釣れどもウリンボサイズのイサキのみ。何が違うかは分かっている。勇者様はスティ10秒以上の超低速シャクリ、へた釣りはスティ5秒以上は待てない高速シャクリ。スティ時間を延ばせばもう少し釣れるのかもとは思ったが、船上のへた釣りは止まると死ぬ頭の悪い生き物なので最後までシャクリ続けて釣果を伸ばせず。メジナ3匹とイサキ10匹で本日終了。南房まで行ってよかったと思える魚とは出会えず。
帰港後、海正丸には昼食のサービスがあることを知って驚く。へた釣りがこれまで行ったことがある船宿ではお茶とお茶受け、寒い時期限定で味噌汁や豚汁を食べさせてもらったことはあったが…。船着き場から船宿に移動すると食堂になっていた。壁には釣果写真が所せましと貼られている。この日のメニューはたぬきうどんだった。糖質が…とは考えないことにして美味しくいただく。「1キロ級のシマアジが釣れ始めたらリベンジしましょう」と約束して本日は終了!! 勇者様のクーラーには魚がいっぱい。
著者: へた釣り