最近の釣況ならいい日にあたらなくても悪い日にさえあたらなければ半日LTアジで30匹を釣るという妻のアジ釣りの目標はクリアできると考えていた。甘い目論みはたいてい崩れる。前日からアジが急に食い渋った。今日は大丈夫だろうと信じていたが……タナ取りシビアで14匹まで。
土曜日の釣果報告には「アジ食い渋り」と書かれており、釣果数は更新されなかった。相当悪かったときのパターンだ。釣る前から悪いことを考えても仕方がないので「アジ30匹釣れたら次は何を釣りに行こう」なんてことを話しながら妻1号とともに金沢八景・一之瀬丸へと向かう。本日が春休み最終日だってことをSNSで教えてもらう。ほかの船では子供連れ多数で賑やかとの報告も。こういう日に一之瀬丸が空いているわけがない。午前LTアジ船は乗合1隻と仕立て2隻の3隻出し。並びでとお願いしてあったので釣り座は左舷の舳と2番目に確保してもらえた。オマツリが怖いのでへた釣りはスーパーではないがお立ち台に上がり、妻1号が通常席の舳に釣り座を据える。妻1号は凪に安心したようで、出船と同時にチューハイを飲みだしてご機嫌。
船長は遠征ウィリー五目でお世話になる伊東船長だった。「20分ほど走って本牧沖を目指します」とのアナウンス。キリン型のクレーンと国際埠頭と書かれた倉庫が見えるポイントで釣り開始となる。出船前に確認したところ土曜の釣果は午前・午後ともに竿頭の人で25匹くらいだったもよう。アジの活性が上向いていることを期待して仕掛けを投入する。指示ダナは底から3メートル。1.5メートル、2メートル、2.5メートルでコマセを振り出しあと50センチ持ち上げて待つ。ウィリーで慣れているので50センチ刻みでシャクるのは目をつむってでもできる。一度コマセを詰め替えてすぐに魚信。20センチくらいのアジが間を開けずに釣れ始める。悪かったのは昨日だけでこれなら妻1号の30匹チャレンジのクリアは十分に射程圏内と思ったのだが……。
妻1号はタナが少し低めになることが多い。穂先にフルフルという魚信が出ても針掛かりしないのはそのせいだと思い、「あと50センチ巻いて待って」とアドバイスするとすぐにダブル。その後も魚信は出せているのだが、どうにも掛かり所が悪いことが多く、巻き上げ中のバラし、海面での抜き上げバラシが多発する。これはへた釣りも同じで、調子のいい日なら1匹も掛けたアジをバラさないはずなのに何度も海面バラシが発生したし、口の膜に掛かってギリギリ取り込めたという魚が多かった。タナを3メートル50センチに上げる(魚信が減っただけ)、赤タンを小さく米粒サイズにする(掛かり所に変化なし)など手を打ってみたが、あまり状況は改善しない。バラシてばかりいるせいではないだろうが、少しずつ魚信が遠のきだす。
ここからの釣りが難しかった。魚信を出すにはとにかくスピーディにタナを合わせることが要求される。コマセを振りだしたら数秒以内にタナに合わせないとコマセの煙幕と仕掛けが同調しないようでアジが食ってこない。タナで待つのも20秒が限界で、とにかくマメにそして素早くコマセの煙幕を作ることが要求される。活性の高い群れにあたれば30匹チャレンジをクリアできそうな勢いだった妻1号だが、9時前に完全に失速してしまう。正確にタナを取るのに苦労している妻1号に「もっと早く」と要求するのはどう考えても無理。最初のポイントで9時半くらいまでできた。この時点で妻1号は8匹で、へた釣りは32匹。
船は少し北上し新しいポイントに。水深13メートルくらいのストラクチャ寄りのポイントだった。ここではさらに苦戦。40分くらい頑張ったがへた釣りが追加できたのは2匹だけ、妻も1匹だけ追加。妻1号の30匹チャレンジは失敗確定。ツ抜けはしようと目標を下方修正する。最後のポイントで少し食いが立った。ここで妻1号は5匹追加し合計14匹。へた釣りは8匹追加し42匹。船長から「そろそろ上がっていきますよ」というアナウンスがあっても仕掛けを上げずに頑張っていた妻1号だったが、終了間際に挨拶にくるはずの営業アジは訪れず、目標の50%に届かず。次は6月の脂ノリノリシーズンに再チャレンジかな。
著者: へた釣り