北海道遠征なのに2日連続の出船中止でたまりにたまった欲求不満を一気に解消した。標津沖での小突きカレイ釣り。今回の野望はまごうことなき座布団サイズ(50up)を仕留めること。果たして……47センチでドラグが滑りまずまず満足。続いて暴力的な引きに翻弄されて52センチをゲット!!
今年も北海道の師匠杯が開催された。カレイ1匹の全長勝負なので誰にでもチャンスがある一方でカジカや手のひらサイズのソウハチカレイをいかにかわすかというテクニカルな一面も。標津港の日陽丸から出撃する。お世話になるのは今年で三度目。冬は猟師さんで夏は漁師さんをしているという船長は少しとっつきにくいが慣れてくるといい人で、子供たちに1匹でも多く釣ってもらおうと手取り足取り熱血指導をしてくれたり、デッカイのを狙っているのならと、普段はあまり行っていない遠くのポイントまで行ってくれたりとサービス精神旺盛な船長さんだ。
出船は7時の予定だったが釧路を出る時点で小雨模様。中標津が近づいてくるとこんな雨の中釣りができるの?と不安になるほどの大雨に。ワイパーを最速で動かしても視界が悪く、スピードを出せない。標津港に着いたのは7時を少し回っていた。慌てて荷物を船に積み込んで出船となる。雨脚は弱まる気配はなく、子供たちの分まで含めて3本分のタックルの準備がはかどらない。ポイントに到着する直前になんとか準備を完了し、釣り開始となると今度は雷が鳴り始める。「大丈夫?」と船長に確認すると「大丈夫でしょ」とのこと。稲光と雷鳴の間隔を数えるとさほど近いわけではないようなので、釣りを継続する。
標津沖のカレイは一昨年、昨年に比べるとかなり活性が高かったようで、釣り始めてすぐに子供1号の「来たぁ!!」といううれしそうな声が背後で聞こえる。25センチくらいのクロガシラだった。へた釣りの竿にも程なくしてカレイらしいシャープな魚信。オモリを底から離すと針掛かりしなかったので、少し送って強い引き込みになるのを待って聞きあげるとなかなかの重量感。25センチくらいのカレイのダブルだった。入れ食いとは言わないが結構な頻度で魚信はあり、ダブル混じりでその後も釣れ続ける。少し出遅れていた子供2号の竿がいいしなりをする。32センチでこの時点では大物賞の暫定首位。
子供2号に「優勝するんじゃない?」と言うとうれしそうな顔で釣りに集中していた。子供1号は「どうして私には小さいのばかり」と悩んでいたが、そういう悩みが釣り上達のきっかけになることが多いのでいい傾向だ。40センチのカレイが上がったと北海道の師匠からの報告を受ける。子供2号は首位陥落となったが、魚信が多いのが楽しいらしく最後まで集中力を切らさずに釣っていた。子供1号は型こそ30センチくらいまでと恵まれなかったが上手に魚信を出して、いい確率で針掛かりに持ち込めていた。数なら船中上位だったように思う。
へた釣りはというと、ロシアとの国境付近の型狙いのポイントに移動してから気合が入る。速く小突いてカジカをかわし、少しずつ速度を落としてカレイが食いついてくる速度を探る。カレイらしき魚信があったら少し送ってじっくり食い込ませて竿先が大きく引き込まれるのを待つというのがこの日のパターンだった。送った竿を持ち上げで聞こうとすると根掛かり?な感触がある。魚を底から引き離すのに成功すると断続的に激しく抵抗し、時にドラグが滑る。海面に姿を現したのは座布団と言って差し支えないサイズ。計測してみると47センチだった。ただし船長には「まだまだぁ~」と更なる1尾を狙うように発破をかけられる。
47センチのカレイは自己最大なのでこの時点で十分に満足していたのだが……小突いている最中に竿をひったくっていくような魚信がある。今度も少し送って針掛かりを狙うとなんだか暴力的な引き。マゴチのようにドッタンバッタン暴れるのではなく、無抵抗を装って油断していると急に竿を下げないといなせないような強烈な引き込み。ドラグは滑りまくり糸を何度か引き出される。52センチのクロガシラだった。船長いわく「それなら満足サイズ!!」。もちろん自己最大サイズを更新できた。北海道の師匠杯は空気を読まずに……。
著者: へた釣り