今年はこれが最終戦になるであろう伊豆へのカイワリ遠征。気持ちよく終えたいところだが……相変わらずの不漁を呼ぶ男ぶりを発揮し、船長からは「へたさんが来た日は釣れないねぇ」と言われる始末。不漁だったというイメージを残したくないので無理やりクーラーを満タンにしてきた。
なんだか天気予報で大気が不安定だのと不穏なことを言っていたが、降っても小雨というウェブの天気予報の方を信じることにして宇佐美へと向かう。熱海に着いた頃には既に雨が降り始めており、雨足も小雨というには少々強い。駅から宇佐美港まで徒歩で15分くらい。全身びしょ濡れになりながらテクテク歩く。濡れてもいい格好はしているが、服が水を吸い込み、肌寒い感じに。港に着くとちょうど雨があがった。駅で雨宿りしてから港に向かえばよかったかもと少し後悔。
宇佐美・治久丸船長に「今日こそはお願いしますよ」と話しかけると、「今日は大丈夫でしょ!!」とのお返事。毎回、そう言われている気もするが……。席は左舷の舳か胴のどちらでもよいとのことだったので取り込みやすさを優先して左舷の胴に席を決める。ウィリーの場合、自分が撒く少量のコマセで勝負できるので席はあまり関係ない。船は12時過ぎに港を離れ、いつものように網代寄りの水深30メートルのポイントへ。開始一投目で左舷舳で船中1匹目のカイワリが上がる。おっ!! 今日はカイワリ高活性かも。
50センチ刻み静止0~1秒でシャクっていると、へた釣りの竿にもカイワリらしい手ごたえ。水深が浅いので手巻きで丁寧に取り込む。25センチのまずまずサイズのカイワリだった。続いてもう一度、強烈な引き込み。カイワリなら尺超え確実な手ごたえに船長がタモを持って駆けつけてくれる。海面に銀色のシルエット。船長も「カイワリ!!」とタモを出そうとしたのだが、「あらら? ハナちゃんですね」。30センチのチダイだった。この日はカイワリよりもチダイの方が元気がよかったようで、すぐにもう1匹25センチくらいのを追加した。
その後はサバラッシュに遭ってポイントを転々とするも、仕掛けを底に落とす前にサバにやられてしまう。何匹釣ったか覚えてないが、40センチ超えを交えてサバばかり釣り続ける。仕掛けの針数を減らしなんとか底まで仕掛けを届けてもサバの層を抜けると今度は魚信がない。今日はカイワリ高活性かもという手ごたえはサバによって蹴散らされた。電動リールで高速巻上げしないとオマツリが発生するので、仕掛けのロスト数も半端じゃない。今日もカイワリあかんかも。
サバを嫌った船長は、船を大崎堤防寄りのポイントに移す。サバの猛攻はなくなった。まず釣れてきたのは小型のマルアジ。素直にウィリーシャクリで魚の反応が持ち上がってくる。なぜかメバルが釣れたり、結構上のタナなのにサクラダイが食ってきたりと、釣れる魚が入れ替わっていく。そして30センチ超えのマアジが釣れ盛るようになる。マルアジはリリースし、マアジだけを11匹キープ。
大崎堤防沖の水深60メートルのポイント。ビシが着底した手ごたえが少し海底にめり込む砂泥地っぽくなる。アマダイがいそうな予感。ビシの上窓を全部閉じてコマセが出ないようにし、底をトントンと7、8回小突いて、50センチ刻み静止10秒で6回くらいシャクリ上げるというアマダイとカイワリを両方意識した誘いを繰り返すと、竿先をゴンッと持っていくような魚信。重量感もあり、時々激しく抵抗するので、アマダイ確実と思っていたのだが、海面に姿を現したのは40センチくらいのイラだった。カイワリが釣れていたのならリリースするのだが、味噌漬けにしちゃうことにしてキープ。だって、身の量が多そうなんだもん。ここで、目標変更。魚種問わずクーラーを満タンにして大漁気分を味わうことに。
その後、網代寄りのポイントに戻って、ここで20センチくらいと小ぶりのカイワリを1匹追加。カイワリは最初に釣ったものをあわせて2匹で終了。再度、大崎堤防沖の水深60メートルのポイントに。アマダイとカイワリ両方狙いのコマセなし底からシャクリをしていると、竿先がフッと沈む前魚信。今度こそ間違いないだろと、食い込ませて竿先を十分に引き込むのを待ってから巻き上げる。海面に姿を現したのは、まごうことなきアマダイ。45センチの満足サイズ。これをクーラーに収めると、ちょうどクーラーが満タンになった。カイワリは2匹しかいないけど、不漁じゃないもんねっ!!
著者: へた釣り