釣り自粛、居酒屋自粛だとやることがネットで散財しかない。どうせなら何かテーマを持って散財しようと考え、「乾麺で一番うまいおそばを探す」ことを目標にしてみた。高い物ではないので気の向くままに取り寄せては食べる。今のところ一番美味しいと感じたのは山形の天狗そばだ。
最初はそば粉の比率が高い、十割そばや二八そばの方がそばの香りがして美味しいに違いないと原材料でそば粉が最初に表記されているものを中心に購入したが、乾麺になるとどうしてもそばの香りは落ちてしまう。十割そばといってもお店で食べる打ち立ての十割そばの香りを期待してはいけないと気づいた。乾麺のおそばの楽しみ方はのど越し勝負と考えた方がよい。のど越しに変化をつけることを狙って切り方に工夫がしてある物もあった。乾麺とは思えないコシのあるそばにも出会えた。もっといろんな種類を買って試す予定だったが、妻1号から苦情が入った。「次買うなら全部食べきってからにして!」。買ったそばは一人前だけ食べてどんどん新しい物の封を切っていた。妻の言い分はもっともだ。というわけでまずはここで一区切り。一番美味い乾麺のおそばの暫定1位は山形の天狗そばに。
山形の天狗そばの原材料は小麦粉、そば粉、食塩とシンプル。そば粉が30%以上入っていればそばとして販売できるが、そばの味はしっかりあるので五割そばかな? 玄そばのひきぐるみが使われているので色は黒い。茹で方が書かれた紙が同封されていたのでその通り茹でてみる。まずは乾麺を水に10分漬ける。たっぷりのお湯をグラグラと煮立たせて水を含んで少し柔らかくなったそばを入れる。鍋をずらしてお湯が対流するようにして鍋の中でそばを回す。4分30秒~5分茹でたら冷水にとってしっかりとヌメリを落とし、氷水でしっかり冷やす。つるしことした食感という表現は、うどんに使われることが多いが、山形の天狗そばはつるしことしている。すすれば最高ののど越しを楽しめ、噛み切ればそばの味がしっかり味わえる。お店で食べるそばと遜色ない。そばつゆは竹やぶそのままのそばつゆがお気に入り。
著者: へた釣り