来なければよかったとは決して考えない。甚大な被害をもたらした台風19号のせいで三連休の2日間を家に閉じこもって過ごした。もう我慢できない。予報が多少悪いことは知っていたが釣行を強行。土砂降りの雨、10メートルの強風、漂流物、アジの活性までイマイチ…それでも楽しい♪
台風の影響で河川から茶色く濁った水が大量に流れ込んだため、濁りと表層の潮が速いことは覚悟していたが、曇りだった予報がどんどん悪くなっていき、ついに傘マークに。風も7メートルくらいまでだったはずが10メートル超えに。こんな日に釣りに行くなんてなんてお馬鹿なんだろうとは思うが、来なければよかったとは一瞬たりとも思わなかった。雨水の浸水を許しパンツまでぐっしょりになっても、家に閉じこもってSNSで誰かの釣果を見て羨ましがっているだけよりはずっとよい。とはいえ1日船は辛そうなので金沢八景・一ノ瀬丸の午前アジへ。釣り座は左舷の方が人数が少なそうだったので左舷舳に。強風でドッタンバッタンしても舳好き♪
京急品川駅のホームには釣り人少なめ。いるのはいつも見かける、よっぽど釣りに行きたい人ばかり。たぶん、向こうもそう思っているはずだ。案の定、船宿に着いてみると午前アジは空いていた。左舷は4人での出船となる。船長はウィリーシャクリの先生。「15分ほど走る」とのアナウンスがあり、飛沫を被りそうなのでキャビンに避難。ポイントは八景沖の水深25メートルくらい。表層の潮が速くラインが鋭角に入っていくのでタナを取りにくい。さらには木の枝などのあまりPEラインには触れさせたない漂流物多数。雨脚は強くかなり釣りづらい。船中型を見たとのアナウンスがあるが…へた釣りは蚊帳の外。魚信はあれどなかなか穂先を引き込んでくれないので、船の上下で仕掛けが張れてない? 1時間くらいしてようやく1匹目のアジをゲットする。
コマセは艫の方に流れていってしまっており、舳は完全にコマセ係。こういうときはタナの低めからコマセを撒いて煙幕を濃くする。50センチ、1メートル、1メートル50センチでコマセを振り出しタナの2メートルで10秒待つ。10秒待ったらまたコマセを振る。ほかの人より濃い煙幕を作って遠くにいるアジに気づいてもらう作戦だ。それでバリバリ食ってくるようになったわけではないが少しペースアップし始める。釣れてくるのは20センチ~25センチくらいの食べごろサイズばかり。やっとのことで10時20分にツ抜けにリーチ。ワーストというわけではないが、かなりの苦戦。
最初のポイントから船団ができている次のポイントへ移動する。海は相当悪くなってきており雨脚も衰える気配がない。台風の間は家で大人しくしていたのに2日遅れで台風の生中継体験している気分。浸水経路は分からないがレインコート内に雨水が入ってしまい、シャツの裾からパンツにかけてぐっしょり。それくらいでリタイヤすることはないが、雨、風、漂流物に加え、釣りへの集中力を奪う要因が増えた。10時50分にやっと10匹目のアジを手にする。アジ釣りでツ抜けしたからといって満足してはいけないが、ツ抜けすらできなかったとツ抜けはできたでは、釣行に対する心象が大きく変わる。プレッシャーから解放されたおかげか、この10匹目のアジを境に急に調子が良くなる。
帰港後、船長に聞くと「潮どまりの時間になり潮が全く動かなくなった」んだそうだ。すると、へた釣りの竿はほぼ休みなく曲がり続けるようになった。小ぶりのアジも混じりだしたが、なんと3連続で針数トリプルを達成するなんて離れ業まで成し遂げ、ツ抜け達成から沖上がりの11時20分までの30分間で19匹を追加する。時速38匹ペースなのでこの30分だけは束釣りペースをゆうに超えている。南蛮漬けを作るほどにはまとまらなかった小ぶりのアジ5匹はリリースし、お持ち帰りは24匹。最後の30分でなんとか妻1号や子供たちに馬鹿にされなくて済む獲物をゲットする。
著者: へた釣り