下手クソのくせに調子に乗って釣りが分かったような気になる。そんな性格のおかげでブログは続く。技術の裏付けのない自信は過信にすぎない。乗ってたはずの調子が狂うともろくも瓦解する。白日夢にしたかったのは「カイワリ船中0じゃなきゃなんとかなる」という過信が崩れたから。
約20日ぶりの釣行なので、釣果の手堅い宇佐美・治久丸のカイワリ五目へ。お刺身最強魚であるカイワリを釣って、食べて、3週間竿を出せてないことの憂さを晴らすためのプチ遠征企画だった。最初の誤算は日曜日は強風予報で釣行が土曜日に繰り上がったこと。土曜日にウィリーを巻いて仕掛けを作るつもりだったが間に合わず。アミ五目用に作ったオキアミ3本針の仕掛けで釣ることになった。8時過ぎの東海道線に乗って宇佐美駅を目指す。春休みなので電車は少し混んでおり、立ったまま1時間半ほど。釣りをしている最中なら揺れる船上で何時間でも立ってられるが、電車で1時間半はちょっとこたえる。
宇佐美港には11時少し過ぎに到着。午前船のカイワリから戻ってきた船長に「早いですね」と声を掛けられる。釣り座は船長の指定なので早く来たくはないが次の電車だと集合時間に間に合わない。午前船は「竿頭で14匹」という情報を得て「本日、楽勝♪」と考え、20匹超えしたら誰にあげようなんてことを考えていたのだから、今にして思えばおめでたい。へた釣りの釣り座はほぼ指定席の右舷の舳。片舷3人ずつの6人での出船となる。12時に港を離れて初島手前の水深90メートルのカイワリのポイントへ。
カイワリなのでまずは50センチ刻みスティ0の高速シャクリ。水深3メートルから10メートルまでを3回探って仕掛けを回収。このときビシにアミコマセが少しだけ残っているようにビシの上窓の開きを調整する。次の投入ではスティ1秒にスピードを落とす。スティ2秒、スティ3秒と試してみるが魚が触れてくる感触はない。船長は「いい反応なのになぁ」と繰り返すが、反応はあるのに魚が口を使ってくれないのでは打つ手がない。3個所くらいポイントを移動して「イサキをみてみましょう」とのアナウンス。
初島沖のイサキのポイントに移動する。仕掛けを4.5メートルの物に変えて、「シャクらずタナで待つ」との指示。指示ダナは30メートルくらい。指示ダナ+2メートル落としてフワフワとコマセを巻きながらタナに合わせる。あとは待つだけ。正直に書くとこの釣りは嫌い。イサキはシャクっても釣れることを知っているので、タナで待っていると体が動きたくてウズウズしてくる。バリバリ魚信があるのならタナで待っても退屈しないがこの日はとにかく魚信が遠く、タカベや小型のメジナと思われるエサ取りがうるさい。2時間ほど釣って、イサキが1匹、タカベが2匹、オキメバルが1匹。運動にもならないし釣果もこれでは…とちょっと凹む。
イサキの釣況がよくないので「まだ少し時間が早いですが」とカイワリに戻る。15時から17時30分まで2時間半。とにかく休まずシャクリ続けた。カイワリはシャクり続けた者が勝つと信じていた。日が落ちかけあと一流しで終了のアナウンス。ここまで船中カイワリ0だったので、「まぁ、こんな日もあるか」と半ば諦めつつ、それでも最後までシャクリ続けた。終了間際に右舷の艫の人(ほぼ置き竿)に魚信。カイワリが3本針に3匹ついていた。カイワリ船中0じゃ仕方ないかという諦めの前提が崩れた。今度はちょっとでは済まない。激しく凹む。帰ってブログを書く気力も尽きていた。白日夢を見たという短い釣行記だけアップし、呑んで寝た。
著者: へた釣り