2日連続で大会なんて体力は持っても精神力がもたないなぁっと気づく。3匹全長勝負の江戸前釣りアジ大会に羽田・かみやから。もともとアジ釣りは苦手な上に大型のアジを釣るのはさらに苦手。美味しいアジをいつもの調子で20匹も釣れば十分と考えていたが……竿ではなく心が折れた。
かみやに着いてみると、デカッw船長を含む何人かの方から「TKBおめでとう」と声をかけていただく。竿が折れてしまったせいで、うれしいんだかうれしくないんだかよく分からない心境だったので、これでやっと心がうれしいに傾いた。気分をよくして釣り座の抽選。しゃちょう船長から「右舷の大艫がまだ空いてますよ」といわれてクジを引いたのだが、クジ運やギャンブル運といった類の運気が極めて低い人なので、あっさり外して右舷の胴に。アジだからコマセが効く胴は悪くないよねと自分を慰めてみたものの。片舷10人の大会なので、オマツリが怖いなぁ~っと。
大会に参加している船が一度川崎のシーバース沖に集結して、大会開始。船は一斉に目的のポイントめがけて全速で走り出す。同じ組合に属する普段は仲がよい(と思われる)船長さんたちが、大会となれば自分以外はみんな敵となるようで、全船フルスロットル。しゃちょう船長の船がいいのか操船の腕がいいのかは知らないが、かみやの船はスタート位置は後方だったにもかかわらず、ほかの船を抜きまくる。早くポイントに着いたからといって大きなアジが釣れるとは限らないが、ライバル船をどんどんまくっていくのは、気分がよい。船長お目当てのポイントに一番乗りで到着した。でも……釣れない。
その後もしゃちょう船長お目当ての(ギャンブル?)ポイントを何カ所か回るがいずれも不発。潮が速くて相当釣りにくいポイントばかりだった。船中37センチの大アジが釣れて一瞬盛り上がったが、オマツリばかりしていたへた釣りは当然蚊帳の外。本牧海づり施設沖を経由して南本牧沖に到着したのは9時半ごろ。この時点でへた釣りの釣果はゼロ。魚信もゼロ。メバルでは何度も来たことがある南本牧だが、アジ狙いで来るのは初めてかも。メバルのゲストで釣れるアジは大きいことが多いのでそれ狙いかな? 30分ほど経ってへた釣りの竿にこの日初めての魚信。巻き上げ始めると、サバ?な重量感。横には走らないからアジ? 最初の1匹なので「タモ~~~!!」と叫ぶ。これがへた釣りにとって本日の最大魚、34.5センチのアジだった。
東京湾内で30センチ超のアジを釣るのって……いつ以来のことだろう? 1年以上釣った記憶がない。1時間以上粘って尺超えアジを手にしたことで本日のアジ釣りの主旨をようやく理解する。普段の乗合船でのアジ釣りと違い、船長に数を釣らせる気はないのである。とにかくデカいのを釣らせることしか狙っていない。群れで回っているアジではなく、根に居ついているボスアジとの勝負。当然魚信の頻度はそう多くない。2匹目のアジを釣ったのはさらに1時間後。魚信があったのを逃したわけではなく、2回目の魚信があったのが1時間後だった。サイズは27.4センチ。
その後も苦難の時間が続く。とにかく魚信がない。アジ釣りなので魚信がなくてもコマセがなくなればビシを回収して仕掛けを入れなおさなければならない。コマセにアジの群れがとどまれば入れ食いタイムを楽しめるのだが、次も何も起きない予感を抱きながらのビシの回収、コマセの詰め替えに心がすさみ、折れそうになる。そして折れた。次に魚信があったのは13時少し前。25センチ以下だったが、これでようやく3匹そろってリミットメイク。13時半の沖上がり直前にもう1度だけ魚信があり、これが27.5センチでなんとか25センチ以上で3匹そろえた。
検寸してもらった結果は89.4センチ。かみやのトップは100.9センチでそれでも大会全体では5位。11.5センチも足りてないので箸にも棒にもかかってない結果。優勝者は114.3センチだった。40センチ級を3匹釣っているってこと? 表彰式をぼんやり眺めて、残念賞にラーメンをもらって帰途につく。数狙いのアジ釣りと型狙いのアジ釣りは全く別の釣りなんだと思い知った。それが分かれば対策のしようもあるはずなので、精神力が尽きてない日に大会があったら来年はもう少し頑張れる…と思うw
著者: へた釣り