ヒラメに全く相手にされなかった憂さ晴らしに、船の敵は堤防で討つとばかりに、昼飯まで抜いて出撃した。敵を討てるわけないよねw でも、魚信があるって幸せなことなんだなぁと思い知る。午前中ピクリともしない竿を眺め続けたせいで、フグでもベラでも釣れたら幸せな気分になれたぞ。
本気でヒラメに代わる何かを釣ってやろうと気合だけは十分だったのだが、堤防に立ってみると、うまく言葉では表現できないが、海にやる気を感じない。波っ気がほとんどないし、海の色が澄みすぎている。船だとベタ凪はありがたいが、堤防がここまで静かだと生命感を感じない。文句を言ってみたところで海の状況は変わらない。そんな暇があったらコマセを撒いて竿を伸ばすべきだよね。
意外なことに、魚の活性は悪くなかった。まず第1投目でウキがモゾモゾ沈んで、カラフルなニシキベラ。続いてキュンと小気味よくウキを海中に引っ張っていくコッパメジナの魚信。こういう魚信の出方をするときはコッパの入れ食いモードの可能性大。コッパをバンバン釣り上げながら、魚信があるっていいなぁ~、竿が曲がるのって楽しいなぁ~と魚が釣れる喜びを噛み締める。いつもならあ~あと思うベラが釣れても、う~れしいな、楽しいななお気楽極楽頭。
早く魚信が欲しくてドカドカコマセを撒いて釣っていたものだからフグが来た。いつもならイラッとする魚なのだが、今日はいいよ、フグはフグで引いて楽しませてくれるもんね。針を外そうとすると体を膨らませて、ギュギュって歯軋りする姿がかわいいもんね。コマセにメジナの活性が上がってきたようで、足裏には届かないものの、22、3センチくらいのメジナも釣れ始める。いやぁ~魚信があるのって本当にいいもんですね、さよなら、さよなら。
著者: へた釣り