釣運というものがあるのならいい方ではないと思う。シマアジを釣るために買った金ピカリール、オシアコンクエストを携えて白間津・海正丸のシマアジ4戦目。2月以来だから10カ月ぶりのリベンジ釣行だったが…朝マズメに根掛かり・高切れでピットイン。チャンスタイムを逃して撃沈する。
深場の勇者様に連れて行ってもらって南房へシマアジ狙って大遠征。最近の釣果を見て「今日はいけそうな」との予告。これまで3戦してシマアジは30センチくらいのシマアジと呼んでいいかどうか、少なくとも求めている強烈なファイトをしてくれないサイズのものが1匹釣れただけ。今度こそは2キロ級のご立派サイズを釣りあげてどや顔全開といきたいところであった。勇者様は予告通りご立派サイズを1匹釣りあげノルマクリア。へた釣りはというと南房の釣りの神様に相当嫌われてしまっているようでこれで4戦して3ボウズとどうもうまくいかん。
海正丸は日の出のほんの少し前を狙って港を離れる。5分ほど走ったポイントに到着するとラインのマーカーがなんとか見える明るさになり釣り開始となる。船長からの指示は「12メートルから8メートル」。海面からタナ取りし4メートル幅をシャクって探る。辛抱強くシャクリ続けた者が勝つという粘り強さだけが求められる釣りは得意だ。金ピカリールの入魂釣行でもある。ハクビシンに盗られたグローブは買い直した。竿も使い慣れた愛竿カイメイスペシャルにした。何を根拠にと問われると答えにつまるが、なんとなく釣れる気がしていた。
朝マズメのチャンスタイムを逃さぬように勇者様から「もう少し食わせの間をとった方が…」と注意されるほどシャクリまくる。悲劇は突然訪れた。シャクった直後にガリッという妙な手応えがある。タナが狂っていた?と慌てたがタナはあっている。根掛かりしてしまったようで竿では外せずラインを手で手繰ることに。高切れしてテンビンもビシもロスト。海中の根の突起にぶつかったようだ。ラインを組み直していると右隣で釣っていた勇者様にシマアジ! 後ろで釣っていた人にもシマアジ。どちらも1.5キロ超えのご立派サイズだった。暗い中、ラインを結び直すためピットインしている間にチャンタイム終了。
船中何匹かシマアジ、それもお目当てのサイズのシマアジが釣れたのに蚊帳の外に置かれたことで思考回路が迷走し始める。エサ取りが船下に大量にいるらしく下針のオキアミは一瞬でなくなる。ならばウィリーで勝負できるかというとウィリーに触れてくる魚はいない。釣り開始1時間以上してやっと本日の1匹目のメジナ。エサがすぐなくなることに焦れて土佐カブラの仕掛けを投入すると小型だがヒラソウダ。ただしあとが続かず。オキアミが1粒だとすぐなくなるので3粒にしてみることにして3本針オキアミ仕掛けを投入するが状況は改善しない。ウィリーだけは信じていたはずなのにウィリーすら信じられなくなったら釣りがうまくいくわけがない。
おっ?という魚信があるにはあった。ドラグが滑って時折竿をのすような引き込みをする。勇者様がタモをもって駆けつけてくれたが、シマアジではなくニザダイ(サンノジ)。堤防で釣ったことがあるがあまり美味しくない。続いてすぐにドラグを引き出すいい魚信あったがメジナと一荷でこれまたニザダイ(サンノジ)でトホホ。朝に1匹シマアジを手にしている勇者様にもその後二度ほどよい魚信があったが一度はバラシで正体不明、もう一度は60センチくらいあるイスズミだった。朝マズメしかシマアジのチャンスはなかったみたいだ。船中、裏本命のナンヨウカイワリやスマも釣れたようだがへた釣りの竿には卦もなし。最後まで頑張ってはみたが、腕なし経験値なし運もなしでは有効な策を見いだせずに沖上がりの時間に。
著者: へた釣り