東京湾の船釣りでまずはこれを学ぼうと考えたのがLTアジとシロギス。下手くそすぎて釣れねぇ~釣れねぇ~とボヤキばかりの釣行の面倒を見てくれたのが増尾船長だった。増尾船長が鮫洲・和彦丸を開業した。お祝い釣行の釣り物は当時と同じキス・アジリレー。少しは上達してるかな?
7時半出船で集合は30分前なので7時に鮫洲に到着すればよい。さすがに時間ギリギリはまずいので6時半に鮫洲駅に着くように家を出ても、金沢八景に行くよりも1時間、羽田に行くよりも30分ゆっくり出発できる。公園をショートカットして岸壁に出るとすぐ目の前に和彦丸の看板。既に先客が4人いて一番最後の到着。なぜか艫が空いていたので右舷の艫に釣り座を決める。増尾船長とお会いするのは7年ぶり。「船も設備もボロですが…」と謙遜されるが、30代半ばで自分の船宿を開業したのであるから大したものである。「何年か待ってくれたら新造船を」とのこと。資金を貯めるために屋形船もやるそうだ。
船は定刻通りに桟橋を離れる。まずはアジからとのアナウンスがあり、横浜方面へ50分ほど走る。出船時は小雨だが大雨になる予報だったのでレインコートを着て完全防備を整える。多摩川より北からの出船は久しぶりだったので景色が懐かしい。船は横浜近くのバースで減速し、ストラクチャーに寄せてのアジ釣り。コマセを撒けどなかなかアジが寄ってきてくれない。反応が入ってくるタナが変わるらしく、船長から「5メートルで」「3メートルで」と指示が出る。慌ててタナを合わせるのだが…なぜか魚信が出せない。う~~んと悩みながら、記念すべき和彦丸での1匹目と2匹目をゲット。
船は南下しベイブリッジ周辺のポイントに移動する。ここでもなかなかアジの群れが船下に入ってこずに出だしは悪かったが、休むことなくコマセを撒いているとポツポツと魚信りだす。船長からは「いい反応」とのアナウンスがあったが、バリバリと食ってくる感じではない。小さな魚信があってしばらく待ってようやく食い込む。針掛かりさせようと竿を持ち上げたり、待つタナを少し高くしてみたりとあれこれ工夫をするが海面バラシも多いし、船に取り込んでも自動的に針が外れるということが多かった。アジ釣りは11時半まででベイブリッジ周辺で35匹。アジは37匹とまずまず。
「シロギスに行きますよ」とのアナウンスがあり、木更津沖へと向かったが、ここからが大変だった。予報通り雨が激しくなり、浸水こそ許してないものの、レインコートの表面が濡れて寒くなってくる。さらに風まで。風は吹いても6、7メートルの予報だったが10メートル超えの風が吹き始める。海は荒れだし勘弁してよな時化海に。雨に加えて飛沫まで被りだす。船が止まれば釣りにならない海ではなかったが、移動中はつらかった。まずは胴突きの仕掛けを投入してみる。軽くキャストしてオモリが着底したらゆっくりと竿を頭上に。オモリを置きなおして10秒待つと、すぐに竿先プルルな魚信。6年ぶりのシロギスがあっさり釣れた。が、その後沈黙。釣れるのは小さなイトヒキハゼばかり。
時化で船が上下しゼロテンションをキープできていないのかもと考え、天秤吹き流し仕掛けに換える。天秤なら常時底を引きずりながら誘えるため、荒れていてもやりやすいと考えた。雨、風に加えてアカクラゲという邪魔者が登場する。天秤吹き流しの方がアカクラゲに接触しやすい? 魚信がなく仕掛けを回収すると仕掛けにべっとりとゼリー状の赤黒い物が。アカクラゲが仕掛けに絡んでいるとシロギスが釣れないのでマメに取り除かなくていけないのだが、時化の船上でのこの作業はなかなか心を削ってくれる。15時の沖上がりまで状況は変わることなくシロギスは何かの間違いで釣れた8匹で終了。
著者: へた釣り