1日で状況が一変という釣り物であることは理解しているが前日の釣果が「0~6匹」ではダメかもなと弱気の虫が騒ぎだす。金沢八景・一之瀬丸から剣崎沖イサキの2戦目。予報に反して海はプチ時化。いつも通り釣り座はスーパーお立ち台に。前半はひたすら体幹トレーニングに励むことに。
朝、家を出るとあれ?となる。雨が結構激しく降っており、風で前の家の樹木が揺れている。予報では剣崎沖の波高は1.5メートル以下で風も7メートルくらいまでのはずなのだが…陸でこれだけ吹いていると遮る物がない海上ではさらに激しく吹いているはず。金沢八景駅に着いてみると雨はあがったが風は海に近づいた分強くなった。船宿に着いてみるとイサキ船の席札はなし。なしということは一段高くなったスーパーお立ち台での釣りになる。胴の間よりオマツリリスクは減るが、船の上下でシャクリにくく、海面までの距離が離れているので取り込み中のバラシが増える。お立ち台での釣りは慣れているのでなんとかなるはずと道具の準備。
瀧本船長に0~6匹だった昨日の釣況を確認すると「松輪の根のいい場所に入れたので反応はあったんですが、誰も口を使わせられなかった」とのこと。反応はあれど…コマセ釣りが上手くいかないときはだいたいこのパターンである。船は50分かけて剣崎沖の松輪の根へ。船団はそれなりの規模で密集しておりイサキの反応を探して散開中にはなっていない。ただし、船からは倦怠感が少々。全く釣れていないわけではなさそうだが、船団の周りをグルリと回って反応を見ている間に魚が船に入ったのを見られたのは一度だけ。置き竿の人の姿もちらほらと。「22メートルから17メートルまで探って」という指示で釣り開始。
波による船の上下は激しくないが、風がもたらす小さな波が連続して押し寄せて船はグラグラと揺れ続ける。お立ち台に立って、左手に竿、右手にハンドル。50センチ刻みで休まずシャクりだす。揺れが大きいときはハンドルを離して手すりを掴んでやり過ごす。リズミカルにシャクルのが肝心なので、なるべくならハンドルから手は離したくない。全身で船の揺れを吸収する体幹トレーニング状態。ポイントを何カ所か変わるがウィリーに魚が触れてくる感触は一切ない。時間だけが過ぎて行く。今日も「0~6匹」かもな手応え。魚からコンタクトがあったのは釣り始めてから1時間半以上経ってから。「釣れた~」と大声でアピールしてから釣り上げたのは……サバフグ。何かが狂っている。
船長はイサキのいないところに船をつけてはいない。船の下には魚がいるのである。魚に口を使わせるために、高速シャクリから普段はやらないスティ20秒まであれこれ試していると…突然、イサキのスイッチが入った。10時30分に本日1匹目のイサキ。さっきまでシャクれどもシャクれども全く反応しなかったイサキが急にコマセに突っ込んでくるようになる。追い食いが発生するほどの活性ではないがしばらくは魚をつけずに仕掛けを回収しなくていい時間帯が続く。単発なので数は伸びないが1時間以上、釣りではなく体幹トレーニングをしていたわけで魚が相手をしてくれるのがうれしい。12時半くらいまで好反応のイサキが遊んでくれて26匹。最大は27センチ。ほとんどが20センチ超えの中型だったのでバケツはゴンズイ玉状態に。
松輪の船が沖上がりとなり一之瀬丸は一等地のポイントに船をつけるハイエナ作戦。お昼を過ぎてからこのポイントでイサキの活性が上がることはよくある。うまくハマれば50匹くらいは狙えるかもと考えていたが、小雨が降り出し風が強くなると再び失速。釣りではなく体幹トレーニングの時間帯に。13時以降、一度として魚信は訪れることなくタイムアップ。3時間だけイサキ釣りをしてその前後は体幹トレーニングをしていたような釣行だった。ツ抜けは厳しいかもという手応えだったので、26匹なら満足。心残りは1.5号のハリスを切られる魚信があったこと。ほぼ瞬殺で仕掛けを切っていく魚……正体を知りたい。前回もチヌ針1号を伸ばされているので、何か大物が船下に潜んでいるのは間違いない。
著者: へた釣り