東京湾での釣り納めは、羽田・かみやからタチアマリレー。アマダイはお餅の代わりに焼いてお雑煮に入れるつもり。脂が乗った冬のタチウオは炙ってお刺身で絶品なので三が日の晩餐を豪華にするのに是非とも欲しかった。両方苦手な釣りだけど紅(アマ)白(タチ)そろえてまずは重畳。
釣行前日、Y田名人から「一緒に釣りましょう」とのありがたい申し出がある。電車釣行で釣り座は選べないことが多いへた釣りにとっては願ってもないことである。電車と送迎バスを利用してのんびりとかみやを目指していると、「左舳の2番目確保してあります」とのメッセージ。左前方は潮先予想の席なので、これはうれしい。アマダイに関してはこの席のおかげで釣らせてもらえたといっても過言ではない。船は定刻に桟橋を離れて「走水を目指す」とのアナウンス。風が冷たかったのでキャビンに逃げ込む。最近、キャビンに入っても船酔いしないことに気付いた。寒い時期に1時間も外で凍えなくてよくなった。
船は予告通り走水沖で減速する。ルアーでタチウオを狙っている船が数隻あったが、タチウオ船団というほどには船は集まっていない。ルアー船なので置き竿でアンニュイな人こそいなかったが、タチウオが船中に取り込まれている様子が全くうかがえない。反応はあるようで、水深60メートルくらいのポイントで釣り開始となる。まずは50センチ刻みのウィリーシャクリで。魚信なし。30センチ刻みのウィリーシャクリ、30センチ刻みのフワフワ。それでも駄目ならフワフワの間にインターバルを入れる。活性がよくなさそうなので誘いをどんどんスローにしていったが、一度もエサを齧られることなく走水沖は撤収。最近の主戦場になっている久里浜沖の140メートルのポイントを目指す。
久里浜沖には大船団ではないが中規模な船団が形成されていた。ときどき銀色に輝く魚が船に取り込まれているのが見える。船長からの指示は「140メートルから120メートルまでを探って」だった。上からタナ取りし、水深が深い分キビキビと動かすことを意識して50センチ刻みで釣り開始。最初の魚信はノタ~と重みが穂先に乗るような感じで訪れた。違和感の正体を探るべくゆっくりと竿を持ちあげると竿先をグンッと引き込む。指2.5~3本級が本日の最初の釣果。その後も50センチ刻みの誘いで魚信はいい頻度で出る。でも、なかなか掛からず。すぐ横でY田名人が魚信の数だけ釣ってるもんだからう~~むとなる。魚信があったら少し待ってクワセの間を作るのがこの日のパターンっぽい。
誘ったあとに少しクワセの間を作ることで針掛かり率がいくらか改善した。10時を過ぎたあたりから型もよくなり始め、指4本級が釣れるようになってくる。ツ抜けは無理でも10本近くはいけるかもと思い始めた途端に悪夢のような出来事が……。フォースマスター400がプンッという聞いたこともない音とともに巻き上げできなくなった。以降、手巻きで140メートルである。つらかった。明らかにペースダウンしてタチウオは5匹で終了。年末年始に食べる分と考えれば十分だと考えることにしよう。
11時にアマダイにリレーする。ポイントの富浦沖に移動。良型の多いポイントだ。水深は100メートル以上と深い。この日のテーマはY川名人に教わった、3本針のどれかが必ずアマダイが食いつくタナで動いているという状態を作ること。仕掛けは2.4メートルで80センチおきに針をだしてある。仕掛けがなるべく自然に動くように親子サルカンは使わずに枝スを直結した。オモリが着底したら底を50センチ切ってそこからゆっくりと1.5メートルくらい誘い上げ、続いてゆっくりと誘い下げる。竿が下を向いたら底を取り直して最初に戻る。魚信は誘い下げている最中にすぐにあった。重量感はないがアマダイらしくよく暴れる。30センチくらいのキアマダイだった。続いてすぐにこれも誘い下げ中に魚信があり25センチくらいのアマダイを追加する。開始30分で本命を2尾ゲットしさすがY川流と喜んだのだが……。
タチウオはリールが壊れて失速した。アマダイは…仕掛けがなくなって大失速した。3本針2.4メートルの仕掛けは2組しか用意していかなかった。うち1つをオマツリで、もう1つを気持ち悪いウミヘビにグチャグチャにされた。船宿の仕掛けを購入したが、仕掛けが変われば誘い方も変わってしまうのか、それ以降は全くアマダイの魚信を出せなくなる。カナドやアカボラは釣れたのでタナが間違えているということはないと思うのだが……アマダイに嫌われたまま本日終了。Y田名人はすぐ横で45センチの良型こみでアマダイ4匹にオニカサゴも。腕の差を見せつけられた容だがアマダイ0の人が船中半数以上なので、へた釣りにしては頑張った方だ。
著者: へた釣り