羽田・かみや以外に釣り船なし。東京湾を独占しての江戸前釣りサーキット大会カワハギの部。5船宿共催の予定だったがかみや以外は出船中止。私バカよね、おバカさんよね~な人さんたちと1匹全長勝負の大会。早い時間はまだよかった。昼近くなると台風の中継かって時化海に。
起きるべき時間の1時間ほど前に窓を叩く雨音で目が覚める。大雨である。「釣りお休み」ともう一度布団にもぐりこめればいいのだが、大会にエントリーした以上、雨がやだから行くのや~めたとはできない。早起きしたのでもう一度波・風の予報を確認すると……悪化。午後から14~17メートルの強風になっている。死ぬな、これは。船宿が出船できると判断したのであるから信じるしかない。家を出る。結果だけをみれば船宿の判断は正解だった。ちゃんと釣りにはなったし、大会も成立した。でも……つらかった。娯楽ではなくたっのしーい修行だった。
桟橋にて釣り座の抽選。船が大きく揺れに強いという理由でしゃちょう船長船を選ぶ。左舷の大艫が空いていたが、クジ運のない人なので、当然のようにハズす。右舷の後ろから3番目を引いた。胴の間で揺れにくいので釣りやすそう。悪い席ではない。右隣は大会入賞常連のドン・モ~リ~。左隣はピカイチくん使いのYOKOさん。へた釣りの本日の方針はピカイチくん封印だったが、YOKOさんの釣れ具合を見て投入の判断ができるので戦略を練りやすい。本日の愚策はハギポンと下針の位置が底から30センチにしてある密集仕掛けの2つ。雨の日はピカイチくんが使えないので荒天時はこの2つの策で臨むことになる。
白波は立っていたし、風もそこそこあったが心配していたよりもウネリは浅く、十分に釣りになりそうな海況。オモリが着底したらゼロテンションから少しマイナスくらいの仕掛けの張りでカワハギからのコンタクトを待つ。すぐに魚信があった。少し送ってから聞き上げるとまずまずな手応え。25センチくらいのカワハギを開始8分でゲット。スタートダッシュが決まると、方針は間違えてないという自信につながり迷いがなくなる。18分後に尺近い手応え。緩めに設定してあるドラグが滑る。これが本日の最大魚で28.5センチ(このサイズでは珍しくメス)だった。開始30分で25センチ、28.5センチ。今日はすごくいい日かもと思ったのだが……。
へた釣りはカワハギ釣りに関してはいつも大きいのを3匹釣るがテーマ。あと1匹、できれば尺超えの超ご立派優勝サイズをとあまり得意でないオモリを底に着けて激しすぎない誘いで魚信を出すという釣り方を続ける。2匹目のドジョウならぬ3匹目のデカハギが遠い。大きそうな手応えがあっても釣れてくるのはサバフグばかり。底から30センチのタナはサバフグだらけかもとベタ底を攻めてもサバフグ、底を切ってもサバフグ。1匹だけサバフグではない大物が釣れた。35センチくらいのホウボウだった。最初の2匹以降25センチ級のカワハギは釣れなかった。
11時が近づくと雨も風も猛烈に強くなってくる。海の雰囲気が分かる写真を撮ろうと何度かシャッターを切ったが、静止画ではこのすさまじさは伝わりきらない。船上で台風のレポーターをやっているような気分だった。横殴りの雨、風はときどき激しさを増し、飛沫というよりは海水の塊が体にぶつかる。この状況では魚信をとってカワハギを釣るなんて不可能。偶然掛かってきたカワハギを拾っていくしかない。それでも16匹も釣れたのだからへた釣りにしては上出来。28.5センチで3位に入賞しライフジャケットをもらう。3位入賞なのにブログのテンションが低いって? たっのしーいは船の上で使い果たしたのよ。
著者: へた釣り