自信のある釣りは1つもないが、自信がない釣りならいくらでもある。タチウオもその1つ。魚信はそれなりに出せるのだが、とにかく針掛かりさせるのが下手で5回魚信があって1匹取れるかどうかの打率1割台のへっぽこだ。魚信の多さに救われてなんとか10匹。一方のアジは入れパクだった。
海堡周りや猿島でタチウオが釣れているなら、ポイントに港が近い金沢八景・一之瀬丸が有利なのではないかと考えての釣行。船長は遠征ウィリー五目と同じなので、アウェイ感はない。船は新造の大型船で、船宿に着いてみると、いつものように艫から埋まっていた。左舷の前から2番目が空いていたので釣り座を決める。左舷は8人。釣り座で横になれるくらいだからオマツリを心配しないで済む程度に横とは間隔があり、タチウオ釣りに付き物の横の人が取り込んだタチウオの歯のせいで高切れを恐れなくてよさそう。船は定刻に桟橋を離れ、「20分ほど走ります」とのアナウンス。
ポイントは海堡周辺だった。港からすぐのポイントなので一番乗りかな?なんてことを考えていたが、とんでもない。既にタチウオの大船団ができていた。千葉の船や松輪の船は出船時間が早いのを忘れていた。タナの指示は海面からで「30メートル~20メートル」でスタート。まずはこれで魚信がでればラッキーな50センチ刻みの素早いシャクリ。不発。右隣で舳で釣っている名人がタチウオを釣り上げた。フワフワと少しスローめに誘い上げるという主流派の誘いだ。真似してみるがこの誘い方は苦手。魚信は出せても針掛かりしない。3回連続で空振りしてフワフワ誘いに見切りをつける。30センチ刻みでテキパキとシャクると魚信も出せるし、針掛かりさせやすいことに気付く。釣り開始30分でようやく1匹目。指2.5本サイズ。
30センチ刻みでテキパキ誘いなら結構な頻度で魚信は出せるが針掛かり率は相変わらずの1割打者。勝手にかかってくれて、竿先を引き込んでくれるタチウオだけは物にできるが、それだけ。コツコツだのプルプルだのノターだのといったコンタクトは何度もあるのに、そのほとんどで空振り。天を仰ぐ。タチウオの活性が高いのか魚信は途切れずに出せ、ポツンポツンとはタチウオを拾っていける。指3本までだが、タチウオが掛かって巻き上げに転じた瞬間にどんな大物が釣れた?ってほどに激しく引くのが面白い。海堡のポイントでは6匹。
船は少し南下し、観音崎沖のポイントに。攻めるタナは少し深くなって50メートルから40メートル。海堡で魚信を出せた30センチ刻みテキパキがここでも通用した。相変わらずの低打率だが、それでも何かの間違えで釣れてくれるタチウオがいて、4匹追加。半日のタチウオ釣りで目標にしているツ抜けを達成したところで11時30分になりタチウオ釣りは終了。舳の名人が16匹だったので、へた釣りにしては健闘した方だと思う。
八景沖に戻ってアジ釣りにリレーする。水深25メートルくらいで、指示ダナは底から「2メートルから3メートル」だった。ビシが着底したら、糸吹けを取るために3メートル巻き上げる。と、途端に竿先をフルルと震わしたあとでギュンと引き込むアジの魚信。コマセを撒かなくても食ってきた。追い食いまで発生し、いきなりのダブルスタート。このあともコマセを撒く前にタナさえ合わせれば魚信が出る時間帯が続く。3本針にパーフェクトもありで、順調にバケツにアジが貯まっていく。
1時間くらいコマセなくても釣れるんじゃね?という超高活性な時間が続いた。バケツのアジは少し酸欠状態だったので、クーラーに移しながら数えてみるとちょうど30匹いた。ここから少し失速するが、それでも入れ食いペースで釣れ続け、お刺身サイズも混じる。台風の影響か、風が吹き始めてきたのもあって、14時30分に少し早めの沖上がり。アジは46匹だった。タチウオ10匹とアジ46匹……家庭不和を招かない適量なのではないかと。
著者: へた釣り