ウィリーを信じる心を取り戻すために釣るのも食べるのも大好きなカイワリを狙って宇佐美へとプチ遠征。浜辺には海水浴に興じる家族連れが見え、海はすっかり夏模様だったが、魚の方はお寒い感じ。なんとかカイワリを2匹釣って撃沈だけは免れたが、とにかく魚っ気に乏しくつらかった。
車で釣行する人にとっては東伊豆の入り口寄りの宇佐美なんて通常釣行の射程内なんだろうが、電車釣行のへた釣りにとっては片道2時間半近く、往復で5時間も電車に乗るわけで遠征である。船は午後船なので朝はゆっくり。8時少し前の東海道線で熱海経由で宇佐美を目指せば余裕を持って間に合う。駅から宇佐美漁港までは徒歩20分くらい。ゆっくり歩いて向かう。既に海開きしているのか、海水浴場には泳いでいる家族連れの姿が見える。船着き場に到着して海をのぞくと、かなり濁りがきつい。昨日は青潮が発生したなんて噂も……悪条件かも。
乗船場所で腹ごしらえをして、道具の準備をして待っていると治久丸が帰ってきた。午前船のアカムツは船中5匹だったそうだ。アカムツが5匹も釣れるのなら潮が悪いということはなさそうなので一安心。片舷3人ずつの計6人での出船となる。治久丸の釣り座は船長の指定。へた釣りの釣り座は右舷の舳になった。釣り座についてコマセのバケツを見るとあれ?っとなる。アミコマセとオキアミが1つずつ入っている。混ぜて使うのかなと混ぜていると、船長から「混ぜずに使う」と教わる。でも、時既に遅し。混ぜたコマセで釣ることに。
12時少し前に船は港を出る。最初のポイントは大崎堤防沖の水深25メートルくらいの場所。カイワリだけでなく、アジやカワハギ、メジナにクロダイ、マダイなどが混ざる五目釣りの期待ポイントだ。指示は「底10メートルまでをシャクって」だった。3メートルから50センチ刻みで14回シャクる。カイワリ狙いなのでスティ0の高速シャクリ。1回目は魚信なし、底まで落とし直して2回目で竿先をプルルと震わせる魚信。マルアジだった。速いシャクリに反応する魚がいるので、今日はイケるかもと思ったが、その後沈黙。
ポイントが変わる。初島方向へと移動して水深90メートルのこの時期にしては深めのポイント。底から12メートルまでをシャクるが魚からのコンタクトなし。船長からマイクで「ウィリー?」と聞かれる。もちろんウィリーである。「オキアミの方がいいよぉ」と指導されるが当然言うことは聞かない。船上で一番聞きたくないセリフが飛び出す。「反応はあるんですけどねぇ~。食ってこないねぇ~」。今日もダメかもと不安が頭をよぎる。初島近くの何カ所目かのポイントで、「これは食ってきますよ~」という群れにあたった。14時少し前にカイワリ1匹目。その3分後にはもう1匹。入れ食いというわけでないが、鋭くシャクれば魚信が出る。これならツ抜けは狙えるかもと手返しを急いだが……このあとがいけない。サバの猛攻に遭う。カイワリが魚信っても巻き上げ中にサバに化ける。自分のサバだけならまだしも、横の人のサバにもよく化けるので、トホホとなる。その後カイワリは船中に入れられず。
船長もサバの猛攻に成す術なしのようでイサキでお土産確保作戦に。ウィリーでではなく6メートルの仕掛けでタナで待つ釣り。イサキは船中魚信ゼロで終了。再び、カイワリというかサバを釣りに行くことに。巻き上げ中ならともなく、指示ダナの低めの位置でサバが食い始めるとどうにもならない。高速シャクリでサバをかわすと今度は何もウィリーに触れてこなくなる。サバでも魚信があった方がマシ。お手上げだ。船長もお手上げだったらしく。底が砂泥のアマダイポイントに移動。底2~3メートルという指示。アマダイ狙いで底付近からフワリフワリと誘ってみたがアマダイはお留守だった。キダイを4匹ほど釣って本日終了。ウィリーを信じる心を取り戻すというミッションは……失敗かな? 帰りに残念賞としてサザエをいただく。
著者: へた釣り