アマダイを癒し系に分類していることがそもそもの間違い。何度もいい目に遭っていたので、ほかの魚には嫌われることが多いへた釣りだけどアマダイにだけは愛されていると信じてた。そんなの幻想。涙目になりながら小突いてビュンを繰り返す。アマダイはよりを戻してはくれなかった。
来週末に羽田・かみやのアマダイ釣りプチ大会があるから練習釣行。1匹大きさ勝負なので40センチ超が1匹混じれば大会に向けて弾みがつくなと、桟橋に至っても釣れない予感なんて微塵もない。釣り客は4名。オマツリの心配もないし、割り当ても多いはず。アマダイには愛されている。そう信じて疑っていなかった。釣り座は左舷の舳。怖い顔w船長からのアナウンスは「1時間40分走って剣崎沖に向かいます」だった。移動中に大粒で身がしっかりしているオキアミを選んで、尻尾切り。針のサイズ(チヌ針4号)に合わせてオキアミの大きさを調整する。
出船前にデカッw船長から「タナは高め、2メートルから3メートルがいいですよ」とアドバイスを受ける。そう言われてもへた釣りのアマダイの釣り方は小突いてビュン命なのでタナは底から1.5メートルが限界だ。第一投目。まずは底を8回トントンと小突いて、強めにビュンとウィリーシャクリ。仕掛けが馴染むとすぐに魚信があるが。掛かってるんだか掛かってないんだかよく分からない極小魚信。トラギスである。少しずつ底を切る長さを増やしていき、キダイが釣れるタナを探すのがいつものパターンだ。キダイが釣れたらそのタナより少し下でアマダイが釣れると信じている。
この日はゲストの活性がすこぶる悪い。キダイのタナを見つけられずに時間が過ぎていく。トラギスばかりが釣れてくる。タナは高めがいいと言われたのはこのせいかな? 釣り方を変えたくないので、底50センチ~150センチの範囲でタナを取り直して釣り続ける。トラギスよりもちょっとはマシな魚信があって、カナド。船長がタモ持って駆けつけてくれてムシガレイ。ウィリー五目でさんざん釣った覚えがあるぞな手ごたえのヌシはヒメ。タナ取りのヒントになるキダイがちっとも釣れてこない。ジリジリし始める。
ようやくキダイが釣れたのが11時過ぎ。それも底50センチで釣れたもんだから、あれ? 本日のアマダイのタナはどこ?とかえって悩みが増す始末。ルージュがセクシーなオキトラギスなんぞも混じりだす。魚信はあるので楽しいがアマダイの気配はない。上針に小型のキダイ、下針にヒメの一荷が発生し、こうなるとどのタナを探っていいのか分からなくなる。怖い顔w船長に「アマダイってどこにいるんですか?」と聞いてみる。「朝から探してるんですけどねぇ~」。へた釣りの頭は縦方向、つまりタナのことでいっぱい。船長の頭は横方向、ポイントのことでいっぱいだった。全く噛み合ってないwww
ポイント選びに悩む船長は舘山沖まで南下する。2週間前のウィリー五目でアジを嫌って底を釣り1時間ほどでアマダイを2匹釣りあげたポイントだ。そのときと同じ、アマダイ&カイワリの両狙いでシャクリ上げつつタナを探るという釣り方を試してみた。底を2メートル切り、次のシャクリに入ろうとした瞬間、穂先がキュンと小気味よく沈む。最後の最後でアマダイ!?と慎重に巻き上げた。水面に映ったシルエットは銀色の紡錘形……アジだった。その後もアマダイを求めて頑張ったが、姿を見せてくれず無念の沖上がり。
著者: へた釣り