東京湾のメバルが本日解禁になった。初日は混むから翌日にと考えていたのだが、日曜は天気がよくなさそうだったので、人生初のメバル解禁日釣行。初日は良型が出ると言われていたが、悲願の尺メバリストにはなれず。でも、煮付けサイズ2匹で、冬の東京湾癒し系の釣りを楽しむ。
釣りにおいて癒し系の対義語は修行系だと思う。オニカサゴを相手に修行のような釣りを繰り返し傷ついた心を、メバルなら優しく癒してくれるに違いない。羽田・かみやの桟橋で「今日はメバル♪」と言うと、大吉(45up)オニカサゴを釣るまで通い続けるというまさに修行系の釣りに勤しまれているS藤達人から「逃げちゃダメでしょ!!」と叱られる。んなこと言われても…1月に釣った魚はたったの13匹。癒しがなければ心が折れちゃいそうだ。
開幕初日はもう少し混むかな?と懸念していたが、釣り座はこっちから埋めていくようにと推奨されている左舷に8人。その後4人釣り客が訪れて右舷に4人の12人で出船した。へた釣りの釣り座は左舷の艫から3番目。いつも悩むのだが、左舷の舳が特等席だとして、右舷の舳と左舷の艫寄りとではどちらがいい席なんだろう? 本日に限れば左舷が正解だったようだが、右舷の舳寄りでいい目に遭ったこともあるのでよく分からない。船長のアナウンスは「15分ほど走って近場からやってきます」。
かみやの近場といえば、 ̄ー ̄と呼んでいる川崎のシーバース。数は期待できないが良型のメバルが期待できるポイントだ。昨年の開幕初日にここで31.5センチが出たと聞いていた。尺超えを狙うならこのポイントが有力なのだが……何度も船を入れ替えてストラクチャーに寄せてくれても全く魚信がない。あれ?と思ったのはへた釣りだけではなかったようで、船長からも「なんだよ!」「おかしいな!」というボヤキ声が聞こえる。結局、 ̄ー ̄では一度も魚信なしで本牧沖へと移動することに。癒し系のはずなのに……メバルまで修行系に変身?
本牧の国際埠頭沖に到着したのは8時20分ころ。本牧なら型はともかく数が釣れて癒してくれるよねと思ったのだが、そんな期待も裏切られる。魚信がない。メバルどころかカサゴもエビを食ってこない。船中ポツリポツリとメバルが上がっているが…へた釣りだけは蚊帳の外。1人、メバル相手に修行系の釣りをすることに。何が悪い? 下針の位置を調整したり、待つときの竿の曲がりを少しずつ変えてみたりするも…さっぱり。30分ほど悪戦苦闘して釣れた魚はカタクチイワシ1匹のみ。イワシメバルしちゃおとそのまま仕掛けを投入していると、船長から「イワシなんて付けてちゃ釣れないよ!」と叱られる。癒しを求めてきたのに、なんだかよく叱られる日だ。
本牧沖もパッとしたポイントがないようで、船は小移動を繰り返す。何か所移動したのかはっきり覚えていないが9時30分になってようやく、竿先にフワッと変化があってギュンと引きこむメバルの魚信! 20センチに満たないサイズだが、2014年1匹目のメバルを無事にゲット。1匹釣れると気分が楽になる。その後、カサゴを連続で4匹ほど釣りあげる。うち2匹は20センチを超えるサイズだったので、やっと! やっと! 癒しの釣りになってきた。
ポイントは国際埠頭内側のキリンみたいな荷揚げ用クレーンの下。根がきついポイントなので10秒に一度頭上まで聞きあげてゆっくり落とすを繰り返していると、竿先をグンッと持っていかれる。手首分だけ送って巻き上げ始めると、小気味よく竿先を引きこんでくれる。良型メバルの引きに癒されるぅぅうう! これが本日最大の23.5センチ(船長計測)のメバルであった。その後もメバルのダブルあり、笑っちゃうくらい小さなイシモチやウミタナゴを釣ったりと、退屈しない程度に癒しの魚信と引きが訪れる。
良型メバルは22センチ(これも船長計測)の物を1匹追加しただけで、煮付けサイズのメバルを4匹という目標には至らなかった。メバル9匹+カサゴ16匹で合計25匹。1月に釣った魚のほぼ倍の数の魚を2月の初日に釣ったのだから、不満なんて口にしたら罰が当たる。家に帰ってクーラーを開けると、妻1号から「あら!? 今日はいっぱいいるねぇ~♪」。スカスカのクーラーばかりが続いたのでいっぱいの基準が下がっているだけなのだが、それでも、メバルの引きに癒され、「いっぱいいるねぇ~」に癒された1日なのであった。
著者: へた釣り