土曜は強風でこりゃ無理と自分で書いてたくせに、船宿が「週末組は土曜」と告知を出したのを見て、鵜呑みにして信じちゃったわけだ。でもって、とんでもない目に遭ってしまった。最終的に判断したのは自分なので自分が悪い…笑って耐えるしかない。もう天気予報はGPVしか信じないぞ!!
大会前になんとしてももう一度、カワハギ釣りの練習をしておきたかった。土日の波・風の予報をGPV気象予報というサイトを見て、無理かなぁ~と一度は判断したのだが、羽田・かみやが金曜日に掲示した「明日後半の風がそのまま明後日までで更に強まる予報なので明後日出船出来るか微妙ですから週末組は明日お待ちしております」に思わず反応してしまう。遊魚のプロの言うことだから釣りにくいのは覚悟の上で、なんとか釣りにはなるんだろうと……そして悪夢の3時間が始まる。
この風の予報なら、釣り客なんてほとんどいないだろうと、思っていたら既にカワハギ船は先客5人。13人での出船となった。艫は埋まっていたので、右舷の胴に釣り座を決める。H賀達人が「第二海堡は風速13メートル」と話しているのを聞いて、GPVの予報の方が正しいんじゃない?とちょっと嫌な予感。この日のカワハギ船は12時沖上がりの半日船。料金も7000円と安く設定されている。船長は粛々と出船準備。きっとなんとか釣りにはなるはずとこの時点では信じていた。
波を被りまくると聞いてキャビンに逃げ込む。多摩川から羽田沖に出ると、既に船がグラグラし始め、大きな波をかわすためのストップ&ゴーな操船。速度もかなり遅め。大量の飛沫が船に降り注ぎ、集中豪雨のような音を立てているのをキャビンに寝っ転がり、目を閉じて聞いている(キャビンに入ったときはこれが一番酔わない)。ときどきどのあたりまで船が来たかを確認するために窓から外をのぞく。波で船がかなり叩いているために竿が無事かを確認するのも兼ねていた。
羽田を出港して1時間ほど経ったとき、ベキッというとっても嫌な音を聞いた。窓から外を見ると…竿がないっ!!!!!!! 飛沫で外がよく見えないので状況は判然としないが、船べりの穴に挿してあったはずの竿がなくなっている。海への捧げものにしちゃったかなぁ~と、がっくし。かといってキャビンから出て竿を捜索するのは自殺行為ってほどに船が揺れているので、キャビンに寝転がって、こんなことならこなきゃよかった~と悲嘆に暮れる。竿がなくなったからこのままキャビンで不貞寝しちゃおと思っていた。
2時間近く経ってようやく船は第二海堡に到着。一応キャビンから出てみると、竿は…あった! でも、リールシートの下の部分でポッキリ2つに折れている。どうやら船の揺れで錘が落ちて、さらに飛沫が溜まったバケツにからんでしまったようだ。そのバケツの重さに耐えられず、真っ二つに折れたと推測される。錘や仕掛けを外しておくべきだったなと後悔。リールも穂先も無事なので、釣りにはなる。
実際には釣りにはならなかった。竿のせいではなく、波・風ともに釣りができるレベルではない。風速20メートルはあったんではないかと……おまけにウネリが1.5~2メートル。海中に仕掛けは入れてあるものの、運がよければ勝手に魚が掛かるって状態。へた釣りはベラを3匹ほど釣った。船中で1匹だけ(たぶん唯一の)カワハギが釣れたら、「奇跡的に型だけ見ましたね~」って船長がアナウンスしていたくらいだもんね。ここまで何もかもがうまくいかないと人間、テンションがあがってしまうようだ。周りの人から見れば、へた釣りは折れた竿で実に楽しそうに釣りをしていたように見えたと思う。
で、1時間ほど徹夜明けのような妙なハイテンションで釣りの真似事をしていると、ようやく船長が「これで上がって行きましょう」。悪夢の3時間から解放される。帰りは追い風なので1時間ほどで羽田着。2000円の早上がり割引券をもらって、本日終了! 本日得た教訓は、船宿の予報よりGPV気象予報の方が信じられるってこと。無理して出撃すると、竿が折れるなどロクなことがないので、無理と思ったら釣りはお休みしないとダメってこと。さ~て、来週は大会なので竿どうしようかなぁw
著者: へた釣り