釣った魚で自給自足の13日間、年末年始伊豆合宿のスタート。昼過ぎには宇佐美に到着し、釣具以外の荷物は解きもせず、30分後には堤防に立っているんだから、どんだけ釣りたいんだ、俺。いつもの通りクロダイ狙いのウキフカセで合宿は始まる。風はなく、日差しはある。釣り日和だ。
堤防に立つ。凪いでいる。ゴールデンウィークに波を被って釣りにならなかった同じ堤防だと思えないほどに凪いでいる。海をのぞくと、想像以上に冬の海。藻がほとんどなく海水が澄んでしまっている。これはクロダイ期待薄かなぁ~と思いつつ、ミキサーでオキアミブロックを砕き始める。準備を終えコマセを撒き始める。速すぎず緩すぎず潮の感じは悪くない。竿の用意をしながらコマセ撒きつつ海の観察。生態反応もあるし、騒がしすぎるわけでもなく、いい感じである。期待を込めて~~~~~第一投!
釣り場について最初の仕掛け投入。この瞬間にワクワクしない釣り人はいない。その一瞬がクライマックスだったなんて日もあるが……。クロダイゾーンはまだコマセが効いていないので、テトラ際を流してみる。コマセを打った辺りに仕掛けが入るとウキがスゥーと海中に沈んでいく。いきなりアワセ損ないは験が悪いので、慎重にラインスラッグを取り、手元にクンッという明確な魚信を出してからアワセを入れる。1号の磯竿が曲がる。メジナはサイズを問わず、しっかり抵抗してくれるから楽しいしうれしい。上がってきたのは22センチの掌サイズ。その後も続けざまに5匹ほど同じサイズを釣り上げる。満足サイズではないが、うれしいサイズの連続にすっかり気をよくする。
30分ほど掌メジナに遊んでもらってから本命のクロダイゾーンへ仕掛けを入れる。ウキを沈ませてくれるのはコッパ(20センチ以下)メジナばかり。予定通りだ。コッパの猛攻がピタッと止んだらクロダイチャンス。テトラ際と足元にコマセを撒き続けて、ようやくクロダイゾーンのメジナの活性が落ち始めた。ウキがモゾモゾっと沈む。このままグィーンと沖へ走ればクロダイなのだが……ずーっとモゾモゾしっぱなし。仕方なくアワセてみると、ニシキベラの赤ちゃんとイソベラの保母さん(?)。大きな岩が沈んでいるクロダイゾーンはニシキベラの保育園になっていた。20匹ほど連続で10センチくらいのロリベラを釣ると、さすがに諦めがついた。
海の色からしてクロダイは期待できないので、メジナ狙いに切り替える。メジナは良型ほどテトラから大きく離れないという傾向があるので、丹念にテトラ際を流し続け、コマセをウキに直撃させるようなつもりで打つと、まずはぎりぎり足裏25センチのメジナをゲット。その後も20センチ以上25センチ未満の掌サイズ連発モードで、テトラに潜られないようにやり取りするのがメッチャ楽しい。そして、ついに今日一サイズの27.5センチ。本日の晩御飯のお刺身ゲットである。堤防満足サイズだったので、ヒラメ用に持ってきた重さを量れるフィッシュグリップで計測。使ってみたかったのだ。0.4キロ…最初は1キロ以上の魚を計りたかったなとちょっと後悔w
海際まで山が迫っている東伊豆は日が陰るのが早い。3時すぎには山の後ろに日は沈み。暗くなってないものの、日差しがなくなり肌寒くなってくる。海中の様子も変わったかもと、もう一度、クロダイゾーンに仕掛けを入れてみたのだが、相変わらず釣れてくるのはニシキベラの赤ちゃんとコッパメジナばかりで埒があかない。メジナは足裏3枚をキープして50匹ほど釣ったので、もういらないしなぁ~と思っていると……ニシキベラ以上のお邪魔虫のクサフグ登場。5時近くなり本格的に寒くなってもきていたので、「今日はこの辺で勘弁しといたろ」と捨て台詞を残して堤防を後にしたのであった。元気なメジナが遊んでくれたので、満足、満足。
著者: へた釣り