数は無理でも型ならマグレで勝ち抜けるかもという甘い目論見は木端微塵に打ち砕かれた。TKB43のかみや予選に臨んだのだが惨敗。惜しいって感じもなしだった。味噌汁程度じゃ目が覚めないので、最近この世で最も嫌いな汁となった、アサリの剥き身汁で顔洗って出直しだな、こりゃ。
一昨日の練習釣行で、25、23.5、23とそれなりの型を揃えて、これならいけるかもと淡い夢を抱いたものだが……そんなに甘い大会は存在しない。6時20分の送迎で桟橋に着いてみると、乗ろうと決めていた社長船はほぼ満席。右舷胴の間にポツンと一席空いていたので釣り座を決める。大会受付で席を登録して船に乗る。艫の方を見ると……極鋭カワハギAGS、極鋭カワハギAGS、極鋭カワハギAGS。極鋭カワハギAGSのジェットストリームアタックやぁ~~。まぁ、型勝負ならマグレがあるから…と気休めを考えつつ、アサリ剥きへ。
アサリ剥きに費やせる時間は30分くらい。限られた時間で少しでも多くのアサリを剥けるように練習したつもりであったが、正確さはいくらか向上したが、スピードはむしろ遅くなってたねw アサリ剥きの最中に聞こえてくる話題が「DKO(ダイワカワハギオープン)がどうしたこうした」「ステファーノグランプリがどうだったこうだった」「宮澤さんがどうだこうだ」なんて内容だったので、こりゃ随分場違いなとこに来ちゃったなぁ~と、ちょっぴりトホホな気分になってくる。アサリ剥くスピードからして違うもん。気落ちしつつも頑張ってアサリを剥き続けた。3時間分くらいはあるかな?
あまり潤沢とはいえないアサリの剥き身を持って釣り座に戻ってタックルの準備をしていると、サプライズが。右隣の人から「カワハギ師匠からへた釣りさんを見つけたらよろしくって言われてた」と声をかけられる。極鋭カワハギAGSの1本目はカワハギ師匠の友人らしい。残る2本のうち1本は昨年のDKOチャンピオンだし、もう1本はステファーノグランプリ久里浜予選を突破した人、早い話が3人とも大会の予選勝ち抜け当たり前の達人さんだと判明。これは割り当て少ないぞと覚悟しながら竹岡沖へ。続くサプライズは数投目で訪れる。結構いい重さと引きこみで上がってきたのは、今シーズン初のダブル。サイズは20センチと15センチだったけど、幸先のよいスタートにすっかり気をよくする。
この日の竹岡沖は10メートル級の風が吹き荒れ、海も荒れ気味。凪でも魚信がとれないのに、ダブルのあとは大苦戦。開始数時間は検寸に必要な3枚そろえれば予選勝ちぬけもありかも?ってほどにカワハギの魚信が遠かった。開始2時間目くらいにようやく3枚目…これまた15センチ級。検寸に必要な3枚を釣るというのが目標の1つだったので、まずは一安心。DKO決勝常連さんたちでも苦戦しているのだから、そんな状況で3枚そろえられれば大したもんだとさえ思っていた。ところがこのあと、達人さんたちの実力を思い知ることになる。写真は大会終了時の右隣の達人さん(M上さん)のバケツ。良型ばかりしっかりそろえている。船中20人で上位6名が勝ち残りというルールでしっかり3人とも決勝進出を決めていた。
一方のへた釣りの沖上がり時のクーラーの様子……4匹だけ。しかも最大サイズが20センチ。検寸するまでもなく予選落ちだ。予選2位通過したM上さんにどうしてここまで差がついたのか教えてもらえた。「釣り座が悪いときは、釣り座のよい人がやってない方法を考えるのが大事なんですよ」。M上さんは錘にブレード状の集寄を付けて、誘い下げで大型を確実に仕留めていたそうである。漫然と宙でフワフワとかちょいタルマセとか言っているようでは勝てんな、こりゃ! アサリの剥き身汁で顔洗って出直しだ!!
著者: へた釣り