得意な釣りではないが2連続でボウズをくらうほど釣れない魚ではない。金沢八景・一ノ瀬丸でマゴチは過去2戦した。2戦ともボウズどころか本命の魚信なしの完全試合をくらった。何かの呪いが発動していて一ノ瀬丸ではマゴチは何度行っても釣れないのではという気すらし始めていた。
釣り方は特に変えている気はなかった。1.5メートルの仕掛けで底から1メートルにタナを取る。誘いを兼ねて20秒に一度はオモリを底に落としてタナを取り直す。魚信があったら竿を下げて食い込ませ、仕掛けを張っていくイメージでゆっくりと竿を持ち上げる。穂先を引っ張るのではなく手元まで重みが感じられるような引き込みになったらどりゃあああああと竿を頭上に持ち上げアワセる。達人さんの妙技の持ち合わせはないが基本は合っているはずだ……なぜか一ノ瀬丸では通用しない。初心に帰って出船前の船長からのレクチャーを聞いてみたら、当然この釣りの達人である船長から聞いている人全員に妙技(特にエサの付け方、仕掛けの張り方)が伝授されていた。過去2戦釣れなかったのはこのせい? 船下の魚の取り合いに負けていたのかも?
片舷10人で満員御礼のマゴチ船は定刻に桟橋を離れて富津の北側のポイントへ。下げ潮が効いている間はここでやるのかな?と思っていたが、潮はほとんど流れていない感じ。大潮なのに変だなとは思ったが、開始してすぐに船中マゴチが数本釣れ始める。へた釣りの竿にもコツンという魚信はあったが魚にくわえられたというより噛み切られたような手応え。慌てて竿を送って臨戦体勢を整えようとしたが時すでに遅しで魚信は続かず。仕掛けを回収するとエビが胴と頭の繋ぎ目の部分でスッパリやられていた。フグだろうと思っていたら、船長いわく「潰されているのでマゴチですね」とのこと。これが一ノ瀬丸で初めてのマゴチからの魚信?
魚信があったならタナは合っているはず。あとは粘り強く頻繁にタナを取り直して誘い続けていればそのうち釣れるはず。ところが次の魚信がなかなか訪れない。2匹目のエビは魚に齧られることなく10時をすぎ10時半になり……。最初の魚信から1時間半何も起きなかった。潮止まりの時間になったらしく「ヘリ」と呼ばれる水深が目まぐるしく変わるポイントへ。待望の絶対マゴチな魚信が訪れる。焦らずじっくりと手元に重さを感じるまで待ってアワセると決めたら一気に竿を頭上まで。金ピカリールの本命二目めにして一ノ瀬丸での初マゴチ♥
マゴチ童貞の呪縛から解放されれば魚信がバンバン訪れるようになる…わけがなく、またも我慢の時間帯に突入する。上げ潮が効き始めるタイミングで南下し富津沖へ。水深が少し深くなった。深いポイントでは竿の上げ下げでタナを取るよりリールでタナを取る方が(個人的には)やりやすい。10センチ刻みなどタナを工夫しやすくもある。明確な魚信ではなくモタレるような違和感がある。すぐにはっきりとした魚信に発展し一ノ瀬丸で2匹目のマゴチ。これが本日最大で45センチくらい。ご立派サイズではないがボウズ覚悟の釣行だったので十分。
コンスタントに魚信を出せている人がいる一方で、へた釣りはどうも魚信が続かない。エビの活きが悪いのかもとマメにエサを交換してみたり、タナを80センチから1メートル50センチまで変えてみたりとできることはやったつもりだが状況は好転せずに沖上がりの時間が近づいてくる。最後の魚信は本魚信になってアワセにいくとすっぽ抜けたような手応え。でも竿に重みは感じられる。お腹にスレ掛かりで一ノ瀬丸で3匹目をゲット! マゴチが釣れたので船長の神業的なスピードの神経〆を見ることができた。サイズ的には中中小だが3匹いるから幸せ♪
著者: へた釣り