クロムツは冬が旬とばかり思っていたら実は夏の方が美味しい魚だと知った。釣りたい、そして食いたいとなると、少々の雨予報は気にならなくなる。羽田・かみやからLT深場五目へ。コロナ禍&イサキシーズンのためかみやに行くのは半年ぶり。雨は予報よりましだったが…苦戦した。
朝起きてパソコンを点けるとすぐにできそうな仕事を見つけてしまう。時間を確認……ぎりぎりなんとかなりそうなので、急いで処理して家を出たのだが……いつもの電車に乗れず。次の電車は15分後なので、蒲田駅からの送迎バスにも乗れない。京急で穴守稲荷駅まで行って、徒歩で羽田・かみやを目指すことに。夜アナゴなどで何度か利用したルートなので迷いはしなかったが150号のオモリ3本入りの深場の道具を持っての歩きはつらかった。受付番号は4番。雨でキャンセルが出たようで、四隅に1人ずつでの出船。
淳ちゃん船長より「1時間半ほど走って久里浜に向かいます」とのアナウンスがあり船は走りだす。雨は降ってはいたが小雨で気になるほどではない。水深160メートルくらいのポイントで釣り開始となる。枝間150センチの3本針仕掛けで釣る。枝ス長は70センチから80センチと少し長め。深場の勇者様スタイルで捨糸なし。オモリが着底したら1メートルすぐに巻き上げ、そこから1メートル単位でゆっくり誘いあげる。5メートルくらい底を切ったら今度はストン、ストンと落として誘う。一度魚の目の前にエサを通し注目させておいてから落として食わせる作戦。すぐに魚信はあったが……魚が小さいらしく針掛かりせず。回収するとエサが取られていた。
ポイント移動すると今度はなかなか魚信を出せずにエサがそのまま戻ってくるようになる。魚信があるのはタナを取り直すために底に落としたときだけで、低すぎるタナで釣れるのはユメカサゴとチゴダラ(ドンコ)。チゴダラは浮袋が口から飛び出してしまうので釣れたらキープ。ユメカサゴは小さかったのでリリースする。雨はときどき激しくなったかと思えばやむの繰り返し。ずっと手持ちで誘い続けるのがいい筋トレにはなるが、筋トレのご褒美がチゴダラのみではちょっとつらい。魚信がないことに嫌気がさして底で魚信を出しに行くとユメカサゴだけは釣れてくれるが…リリースサイズなのでどうしようもない。
久里浜沖を転々と攻める。水深は160メートルから深いところでは250メートル近くまでやってみるがどのポイントもぱっとしない。魚信が少ないし、小さな魚信は針掛かりしない。ようやく底から少し浮いたタナで針掛かり。掛からない魚信よりはいくらかはっきりと魚信はでたが巻き上げ最中にほとんど抵抗らしき抵抗をしないこの魚…記憶にある。ワキヤハタ(シロムツ)だ。釣りあげると目ん玉が飛び出してしまうのでこれもキープ。筋トレのご褒美が1種類増えた。シロムツとユメカサゴばかり釣りつつポイントは保田沖に。ここまでキープはワキヤハタ5匹、ユメカサゴ4匹、チゴダラ2匹。雨中の筋トレが報われたとは言い難い釣果だ。
何のドラマも起きないままに終わりそうだなという予感を覚え始めていた。沖上がりの時間は14時。残り15分もない。期待はしていなくても筋トレなので体は動く。ストンとオモリを落とした直後に竿先がガコッと揺れるクロムツっぽい魚信が出る。ゆっくり竿を持ち上げると針掛かりも成功。釣りの神様はそこまで意地悪ではなかった。「これは物が違うでしょ」と宣言してからの巻き上げ。巻き上げ中も間欠的に暴れる。次第に暴れ方が弱くなっていく。海面に姿を現したのは30センチちょうどのクロムツ。すぐに再投入し魚信があった底から4.5メートルに3本針の真ん中の針がくるようにするとすぐに竿先ガコガコッ。少しサイズアップし33センチ。もう1匹と欲張ってすぐに仕掛けを投入したが水深が変わってしまっており、魚信なしで沖上がり。ラスト15分で救われた。
著者: へた釣り