竿さえ握ればいつもニコニコ…とはいかない日だってある。金沢八景・一ノ瀬丸からマダイ五目改め勝手にイシダイ五目へ。出船前に船長に釣況を聞くと「イシダイは釣れても小さいし簡単には釣れない」とのこと。イシダイではなくマダイ五目なのでマダイを狙うようにと型にはめられてしまう。
今季一番の冷え込み&雨だった昨日の釣行を1日順延しての釣行。この選択は大正解だった。暖かいとはいわないが防寒していれば平気な気温。少し風はあるものの釣りづらい感じではない。4メートルの仕掛けをシャクリまくってマダイではなくイシダイを狙うと宣言しての釣行だったが、船長に挨拶すると、「あまり短い仕掛けは避けてほしい」と言われる。ビシを振る位置が海底に近くなるためマダイ狙いの邪魔になるようだ。「仕掛けは6~8メートルで」と指定される。イシダイはそれほど釣れてないし、釣れても小型の物が多く、マダイを狙った方がよいとのこと。頭の中はイシダイ本命になっていたので出船前から意気消沈する。
桟橋を離れた船は久里浜沖の水深34メートルのポイントへと向かう。船長からのタナ指示は「31メートルまで落としてコマセを撒きながら底から仕掛けの長さ分」。フロロ6号2メートル+フロロ4号4メートルのテーパー仕掛けで釣ることにしたので、28メートルより上にビシを持ってくればよい。1メートル刻みで3回コマセを振りだして「ゼロ」と呼ばれる底から仕掛け長分のタナにまず合わせる。可能ならば1メートルでも上にビシを置くのが正解らしいのでもう1メートル巻き取る。あとは頭上まで竿を持ち上げ、そこからゆっくりと1メートル10秒くらいかけて誘い下げる。辛抱強く誘い続けていればそのうち報われるのがマダイ釣りと思っていたが……。
「イシダイ出ました」「赤いのもいましたよ」と瀧本船長からアナウンスがあるがへた釣りの竿には何も起きない。最初のうちこそまぁ、そのうちにと余裕があったが、1時間経っても、2時間経っても何も起きない。3時間近く誘い下げ続けてようやく何か手を打たないと魚信を出せないと判断する。やりなれた釣りなら3時間も無策でなんてことはあり得ないのだが、マダイ釣りは経験値が低い上に海中の様子を全く想像できていない。打つ手が思いつかない。仕掛けの長さの問題かもと10メートルの仕掛けに換えてみたが状況は改善しない。ほかに手はない。辛抱強く誘い下げ続けるしかない。
11時半ごろに船長から移動の合図がある。根をダイレクトに狙ってみるとのことで「イシダイの可能性あり」だという。仕掛けは短くてもよいと言われたので当初の予定通りに4メートル3本針の仕掛けをシャクる。この日最初の魚信は極小カサゴからだった。お次はベラがダブル。仕掛けの長さを短くするとビシと付けエサの距離が短くなるのでエサ取りの小魚が釣れるようになるという理解でいいのかな? イシダイが期待できる根のポイントで釣れたのはそれだけで「マダイの長い仕掛けに換えてください」というアナウンスとともにポイント移動。イシダイのチャンスタイムは終了してしまう。
ポイントは変わり、この日最初のそれなりに大きさがありそうな魚の魚信があった。サバフグだった。サバフグを釣ってやった!と喜んでいるのであるからよほど魚信に飢えていた。サバフグを釣ったのは釣りを始めて5時間半くらい経ってから。5時間半魚信なしって……よく我慢したなと自分を褒めてやりたい。最後のポイントは「中央うらが」と書かれたブイの近く。ここで本日唯一のお持ち帰り魚が釣れた。イナダだ。クーラー空っぽは回避できたが……2019年のへた釣り家不人気魚No.1になってしまっている魚なので喜びきれない。
著者: へた釣り