土曜よりはマシと釣行を決めたのだが、嘘でしょってくらいの時化だった。立って釣るのが相当つらいレベルでタナは底から3メートルまでと言われても船が波で2メートル幅を上下しているとタナどこ? 金沢八景・一之瀬丸のアミ五目初挑戦でマダイとマハタをゲット。イナダは船中0で留守。
2時前だったと思う。家の外壁を叩く雨の音で目が覚めた。そんな予報じゃ…と思ったが雨足は激しい。そのまま目が冴えてしまった。のんびり支度をし、5時前に外に出てみると雨はやんでいた。風は強い。間欠的に強く吹くと街路樹がザワッと音を立てる。時化を覚悟する。寝不足だけど大丈夫かなぁと不安になる。船宿に着いても風が弱まる気配はない。席札は四隅以外は空いていたので左舷の胴を取る。その後、船長から2人組が来るので舳に移動してと言われ、さらには右舷の艫が空いてるのでどうぞと言われ席を移動する。風のせいで釣行を取りやめた人がいたんだと思われる。
船はドッタンバッタンと波に揉まれながら八景沖の水深20メートルくらいのポイントに着く。船長からの指示は「1.5号の仕掛けで切られるようなら太い仕掛けに換えてください」だった。本日の目標はイナダなのでこの指示は無視して、最初からハリス3号の全長3メートルの仕掛けで釣りを始める。底から1.5メートル、2メートルでコマセを振り出し、2.5メートルで待つという作戦で釣り始めた。すぐに竿先をプルルと震わせる魚信があったが針掛かりしない。船中、アジの顔を見たというアナウンスがあった。アジのサイズが小さいのでチヌ針3号ではなかなか針掛かりしない。最初の獲物は釣り始めて15分くらいしてからで、マダイだった。ただし15センチくらいしかないチャリコなのでリリース。
船中ほかの人はアジをポツポツ釣っているようだ。船長から「アジ釣れました?」と何度か聞かれたので8時半の時点でアジボウズなのはへた釣りだけ? 別にアジは釣りたくないから気にしないという方針だったが、船長にしてみればお土産(釣果)になるアジを釣ってもらわないとってことみたい。「釣れました?」と何度か聞かれて、とうとうアジの仕掛けを渡されてしまう。せっかくくれた物を「アジいらね」とツっかえすわけにもいかないので使わせてもらうとアジをゲット。船が波で上下するのでタナを合わせにくいし、掛かっても巻き上げ中のバラシ多数。大して数は伸ばせず。海の荒れ具合が最高潮で立って釣るのがかなりつらい状態。タナなんて合わせようがない。大きく狂ってないようにするのが精いっぱいだった。
時化の海でアジ狙いでは心が折れるので、数匹アジを確保したら(船長にアジは釣れたアピールをしたら)イナダ狙いの仕掛けに戻す。岩礁の上を攻めているようで、タナが変わるので15秒おきに底を取り直して底から2.5メートルで待つことにしたらようやくまぁまぁいい魚信が訪れる。引きも強いが青物のそれではない。25センチ以上30センチ未満のマダイだった。しばらくするともう一度いい魚信。今度も青物らしくはない。茶色の体に白のラインが入ったマハタだった。この2尾のおかげで船酔いでリタイアだけはなんとか免れたって感じだ。喉の奥が灼けるような酸が何度かこみあげてきていた。
ポイントを何カ所か移動する。ここでようやくアミ五目がどういう釣りなのか分かった。最初のポイントはアジ釣りのポイントでアジの仕掛けで数釣りをするべきだったみたい。少しずつマダイの期待が高いポイントへと移動していく。最後は最も大型が(ということはイナダも?)期待できる、残りは30分オキアミ残さず撒いてねポイントに来た。イナダ狙いなのでFLビシの下をオキアミが通る幅に調整して、数シャクリで一気に撒く。今度こそイナダ?という魚信が一度だけあった。ドラグも滑っていい感じだったのだが波で船が下がったときにテンションが抜けたらしく、プンッという嫌な手応えとともにバラした。
キープしたのはマダイ×1匹、マハタ×1匹、アジ×8匹だけ。サバ、ウミタナゴはリリースした。五目だからもっと簡単な釣りだと思っていたら大苦戦だった。もっと海が穏やかな日にリベンジするかと言われると微妙。ウィリーと違ってタナで待つ時間が長いため、多動性中年の好みに合う釣りではなかった。イナダがどうしても食べたくて再戦するとしたらウィリー+空針の仕掛けで動かしまくって勝負すると思う。
著者: へた釣り