調子に乗ったことを書いたら次はこける。釣りに関してはそういう星の下に生まれついている。雨の中、頑張ったつもりだが、2012年の船釣り納めはボウズ。ヒラメとおぼしき魚信は2回あった。三振と外野フライで2打数0安打(2タコ)。空っぽのクーラーに、ヤリイカとミカンを恵んでいただく。
雨は昼過ぎからだと思っていたら、朝起きて外に出ると、既に地面が濡れている。釣り終わるまで持ってくれればいいのになぁ~と、釣具を抱えて宇佐美港まで徒歩20分。曇り空のようで、空が白んでくる気配はない。雨模様で人気もなく、少し怖いと感じるほどの暗闇の中歩き続ける。港に近づき治久丸の明かりが見えて、ホッとする。本日釣り納めという人が多いようで、ヒラメ船はほぼ満席。船はいつものように日の出前の大崎堤防沖(水深30メートル)からスタート。
魚信なし。まぁ、水深の浅いポイントは一昨日も魚信なしだったので、これからだよねとまだ余裕。次は水深45メートルくらいのポイントに移動。空が少し明るくなってきた。離山の上の方にもやが掛かっている。これは昼までに天気が崩れるかもという予感。既に船上の人になっている以上、そんなこと気にしても仕方がないので、釣りに集中。でも、魚信なし。イワシが暴れる気配もないので、全く卦もなしな感じ。
イワシを餌にした泳がせ釣りなので、やれることは限られている。マメにタナを取り直し、大きく竿を上げて誘ってゆっくり落とす。ときどきイワシの状態をチェックして活きが悪そうだったら新しい餌に代える。水深60メートル前後の期待度大なポイントへ。誘いあげている最中、しかも竿をほぼほぼ上げきったときに本日最初の魚信。これ以上竿は上げられないし、微妙にだが竿先に重みが乗っている。超難問だ! どうする? 竿位置をキープしてグッと引きがあったのに合わせて後ろに倒れこむようなつもりでアワセる。スカッ。三振バッターアウト!!
雨が降り出した。土砂降りというわけではないが、シトシトと心と体にダメージを与えるような雨。魚信が遠くて、それでなくても気持ちが折れそうなときに…この雨は効く。時刻は午前9時少し前。誘いあげて竿を下ろしている最中に、ヒラメがイワシを咥えた手ごたえ。大事に行こうと竿をヒラメの引きに合わせて少しずつ送ってから、大きくアワセる。乗った!! 竿が根元から曲がる。タモ係の船長に聞こえるように「乗った~~♪」と大声を出す。手ごたえからしてさほど大きくはないが、本日の初獲物。普通に考えればこのサイズなら獲ったも同然なのだが……横の人とオマツリしてバレた。
これにて本日のヒラメ釣り終了。その後魚信はなかった。船長もなんとかしようと、11時半くらいまで粘ってくれたんだけど……結局船中2枚だったらしい。へた釣りの両隣は魚信すら一度もなしと言っていたので、2回だけとはいえドキドキできたので、よかったほう? 空っぽのクーラーを抱えて「お正月に食べる物がな~い」と情けないことを言っていたら、治久丸の大女将にヤリイカを1杯とミカンを大量にいただく。ヒラメは年明けにあと2戦やる予定なので、「この恨み晴らさでおくべきか~」と年をまたいで魔太郎モードでリベンジを誓うのであった。
著者: へた釣り