「会いに来るのが親孝行」と言われてから三カ月に一度は大阪まで母のご機嫌伺いに行く。といっても母の体力的な問題で親孝行は1時間もすればお役御免になる。2時間親孝行するために泊りがけで行く。で、親孝行の時間以外は呑兵衛に優しい大阪の町で食いだおれ&呑んだくれを楽しむ。
初夏に大阪に行くとまず食べたくなるのが鱧である。すごく美味いものかと問われると、もっと美味しいものはある気もするが、6月になったら一度は食べておかないと関西人として失格という気がする。江戸っ子が女房を質に入れてでも初鰹を食うのの、関西版って感じだろうか? 鱧といえばまずは湯引きで。骨切りをした身を湯にくぐらせると丸まって包丁を入れた部分が開く。これを梅肉や酢味噌でいただく。夏のお酒のあてにふさわしいさっぱりした味わい。
と、鱧の湯引きで関西の風物詩を消化したら、一番美味しい食べ方を。個人的には鱧は天ぷらが一番美味しいと思う。アナゴより身のボリュームがあるし、身質がふっくらとしている。旨みという点でもアナゴより上なのでは?と思う。妻から「体重80キロを切るまでは天ぷらを禁止」を言い渡されているが、鱧の天ぷらだけは許可してもらえた。鱧は骨切りができないと食用には向かないので、外食でだけ食べられる贅沢品のイメージがある。
夏に旬を迎える魚で是非とも食べておきたいのが鮎だ。6月は若鮎の季節で塩焼きしたものを頭から齧りつくようにして食べる。鮎らしい香りは成魚になってからの方が上だが、体長20センチ以下のこの時期の鮎の塩焼きが個人的には食べやすくって好みに合う。高知県産の鮎が入荷とあったので頼む。値段的には天然ではなく養殖だと思われるが、鱧同様、初夏になったら取りあえず食っとく。
目の前に「白身界隈の王様(高級魚!!)」と魚の知識を試されるようなメニューが貼ってあるとスルーはできない。高知の宿毛で水揚げされた「タマメ」なる謎の魚の正体は……。お店の人に聞こうとすると刺し盛り7種に入っているとこのことで、それを頼むことに。刺し盛りの真ん中で存在感抜群だった白身がタマメ。コリコリ食感の皮が残してあり、身質もしっかりした感じだった。沖縄でタマンと呼ばれるハマフエフキだった。西表島で食べて以来、15年ぶりにタマン改めタマメを食べた。
著者: へた釣り