クロムツ本命のLT深場五目は釣れない方の伝説を何度も打ち立てている釣り物。予約するたび今日は何とかなるかしらとドキドキしていたりする。羽田・かみやから4カ月ぶりの挑戦。目標はお正月のお刺身になる魚の確保だった。クロムツなど深場の魚なら1週間熟成させて食べごろに。
北海道や日本海側はクリスマス寒波の到来で不要不急の外出は控えるようにとテレビで騒いでいたが、東京は朝だけ少し雨が降ったが、風もなく凪の予報。最高気温も13度まで上がるので、それなりの防寒対策をしていれば問題なく釣りができる。6時20分の送迎バスを利用して船宿へ。バス利用者10人のうち4人がLT深場の釣り人だったので混むかもと危惧したが、受付番号は10番。一番最後だったようで、片舷5人ずつの10人での出船となる。釣り座は左舷の艫から二番目。淳ちゃん船長からの案内は「1時間半ほど走って剣崎の方に行きます」だった。
仕掛けは枝間120センチの5本針。針ははりよしのホタ針15号をいろいろ買ってあったのでどれが釣れるかな?と混ぜて結ぶ。枝スの長さは70センチ。船宿で支給されたサバ短をちょん掛けするだけでデコレーションは一切なし。水深230メートルで釣り開始。投入は成功しすぐに魚信らしき感触はあったが魚はおらず。なぜか仕掛けが絡まっていた。すぐに竿先ガコッないい魚信が訪れた。クロムツの顔を見たとのアナウンスがあった直後だったので、クロムツと信じて巻き始めたが最後まで暴れすぎる。40センチくらいのメダイだった。なんで俺だけ?
底を5メートル切って、枝ス長の70センチ刻みで7回ストンと落として20秒待つという誘いを繰り返す。いい群れに当たったようで、竿先ガコッなクロムツらしい魚信が訪れる。魚信ははっきりと竿先をガコッガコッと揺するように出るが巻き上げ中はメダイに比べれば大人しい。30センチ級のクロムツが釣れてくれた。再投入するとまたすぐに魚信があり、これはツ抜けも夢じゃないなんて分不相応なことを考えていると、残り15メートルで急に竿がひん曲がりオモリも魚もいなくなる。サメの奪喰いで仕掛けの半分とオモリをロストする。もう1匹このポイントでクロムツを追加したが、サメの嫌がらせが凄まじく、ポイント移動することに。
ポイント移動すると頑張って誘えば魚信が出るという状況ではなくなり、かなり間があくようになる。微小な魚信がありちっとも引かないのでシロムツだろうと放置していたら、横の人に小型ながらもクロムツ。もしかして俺のも?と巻き上げてみると20センチくらいの煮付け用クロムツが付いていた。高めのタナでは魚信がなくなり、底近辺を攻めてみるとフルルと竿先を揺れるユメカサゴっぽい感触がある。タナを上げ無視して誘い続けると竿先ガコッ。30センチ級を追加して4匹め。家族4人に1匹ずつという目標はクリアしたがかわいいサイズが1匹混じっているのが不満。
最後まで粘り強く底5メートルをストンストンと落として誘い続ける。淳ちゃん船長は見切り早くいろんなポイントに移動してくれるがなかなか本命らしい魚信が訪れない。「この流しで最後」というアナウンスに続いて「残り3分だから上がっている人は落とさないで」。ダメか…と諦めかけた瞬間に竿先ガコッ。竿を持ち上げると掛かった。その15秒後に「それじゃ、これであがっていきます」。無事に30センチ級クロムツを取り込んで家族一人に1匹ずつ30㎝級クロムツの確保に成功。
著者: へた釣り