コロナ禍で卒業旅行に行けない子供たちのせめてものなお慰みに企画したへた釣り家アジへた女王決定戦。賞金総額1万円で誰が一番アジ釣りが下手かを競う。本命は釣り経験が最も浅い子供2号で、妻1号と子供1号のどちらがたくさん釣るかな?という展開になると予想していたが…。
妻1号とは半日アジ30匹チャレンジをやっており年に数度は一緒に釣行しているが、子供たちと東京湾で釣りをするのはいつ以来だろう? 釣行記を遡ってみたら2014年が最後だったので実に7年ぶり。子供1号は高校1年生、子供2号はまだ小学生だったのが、かたや大学を、かたや高校を卒業するのであるから驚きである。午前アジが満席であったため、ゆっくり午後船での釣行。蓋を開けてみれば正解だった。睡眠時間十分の子供たちはテンション高く、眠い目を擦ってぐったりしているのを引き連れての釣行よりも気分がよい。
明日は時化予報で本日に釣行が集中したせいか午後アジも片舷10人と盛況だった。へた釣りたちの釣り座は右舷の大艫から4席。大艫を子供1号、2番目に妻1号、3番目に子供2号、そしてへた釣りの順に座る。午後は干潮の潮どまりの時間帯にあたっており、釣り座による優劣はほとんどないはず。船長はウィリーシャクリの先生だった。「20分ほど走る」とのアナウンスがあり。船は本牧沖のポイントへ。子供2号には釣り方を簡単に説明する。
タナを丁寧に合わせる方法を教えただけだが、真面目に守った子供2号の竿先がグンッと引き込まれる。船中1匹目こそは逃したがほとんどの人がまだ魚信を出せてないうちに25センチ級の食べて一番美味しいA5ランクのアジをゲットする。こうやれば釣れるという手応えを掴むと釣りが上達する。2匹目、3匹目と順調に数を伸ばしていくのを確認して、へた釣りも竿を出すが…あれ? 子供2号は魚信を出せてるのに…。偉そうに教えた方が釣れずに恥をかきそう。
この日は潮の流れが弱く、仕掛けが張りにくいのでタナを低く取るとエサにアジが触ってきた感触はあるものの針掛かりしなかったり、針掛かりしてもバレたりする。アジの活性も抜群というわけではなく焦れる展開。妻1号は大苦戦していた。魚信を出せているところまでは何度か確認できており、釣れたら写真撮るから声かけてねとお願いすると直後に悲鳴や怒声がいい頻度で聞こえてくる。面白いくらい海面でバラしていた。全く数を伸ばせずにちょっと不機嫌。
本牧沖のポイントから八景沖のポイントに移動した時点では妻1号が8匹、子供1号も8匹、子供2号が7匹(へた釣りは11匹)と接戦。想定通り金欠だと嘆いていた子供2号に多い方の賞金を渡せるはずだったのだが……。八景沖の方が魚信を出すのが難しく釣れる人と釣れない人の差が出てしまった。ここまで写真を撮らせてとお願いすると「もっと大きいのが釣れたらね」と言っていた子供1号は失速する。妻1号は1匹も追加できず。なぜか子供2号だけがポツポツと魚を拾って逆転しアジへた女王になりそこねアジうま女王に。最終結果は子供2号12匹、子供1号10匹、妻1号8匹。第1回アジへた女王は妻1号で賞金は7000円。アジうま女王に輝いた子供2号には3000円。たくさん釣った方が賞金が少ないと知り「釣らなきゃよかった」と口を尖らせていた。へた釣りは18匹。
著者: へた釣り