最近、日帰りのことが多く、なかなかええもんにたどり着けてなかった。久しぶりの難波のええもん紹介は、雑然とした路地に店を構える老舗のお寿司屋、あばらや。なんとこの店、メニューに値段が書かれていない。ん万円かも?と大人のドキドキを楽しめるお店だ。さば寿司が絶品だ♪
なんばグランド花月近くにあるアパホテルの玄関のちょうど正面にある雑然とした路地に店はある。目当てのお店がなければわざわざ足を踏み入れない気がする。看板と自転車が狭い道をふさぎ、雑然としている。そんな路地にある昭和30年創業のお寿司屋…お店の名前があばらやなのだから、これは行ってみなければという気になる。19時の新幹線で東京に戻らなくてはならないので、16時の開店と同時にお店へ。愛想のよい女将が迎えてくれる。カウンターの中には板さん。黙々と仕込みをしている。
冷酒(福寿)をお願いするとお通しが運ばれてくる。南蛮漬け、枝豆豆腐、鯛の子煮。枝豆豆腐は枝豆の味をしっかり感じられる。鯛の子煮は関西ではお節料理の定番。上品な味付けで鯛の子の食感とお味を味わえる。メニューが運ばれてくる。メニューには料理名が書かれているだけで、値段が書かれていない。事前にサイトで料理の値段は調べてあったおかげで、焦らずに済んだが、知らなかったら結構ビビったかも。ちなみにお造り盛り合わせは1500円、さば寿司は10貫で1300円。寿司屋と考えるとリーズナブル。
まずは、お造りの盛り合わせが運ばれてくる。マグロ、カンパチ、ヤリイカ、赤貝、ヒラメ、ヒラメの縁側が2切れずつ盛られていた。カンパチはしっかりと旨みが引き出されていた。びっくりしたのがヒラメ。ヒラメはお刺身にしてすごく美味しい魚というイメージを持っていなかったが、このヒラメは食感よし旨みありで記憶にあるヒラメのお刺身の中で一番だったかも。
お次は店の名物であるさば寿司。関西のさば寿司といえばばってらのことだが、同じ押し寿司ではあるが別物だった。お酢を使わず塩だけで締めたサバの上に白板昆布。山椒の葉が透けて見える。口に入れると酢飯がぱらりと崩れ、お米の甘味だけでなく、間に挟まれている鯛のでんぶの甘味が口の中に広がる。糖質を摂りすぎてはいけない体なのでお代わりするわけにはいかなかったが……糖質の問題がなければ絶対にお代わりしていた。同行した母は年のせいで食が細くなっているはずなのに10貫のうち7貫たいらげていた、
少し飲み足りなかったので鯛骨蒸しを追加する。40センチくらいだろうと予想されるタイの頭が半分。椎茸と豆腐、水菜が添えられている。ポン酢でいただくのだが、全く魚の臭みがない。聞けば1時間くらいかけてきれいに洗ってから調理しているのだそうだ。文字通り骨までしゃぶり尽くすようにして食べる。
著者: へた釣り