炙りのお寿司を供するお店は少なくないが、難波・ときすしのそれはすし焼きと呼ぶそうだ。寿司ネタを炙るだけではなく、好みの味付けを組み合わせて楽しむことができる。生魚が苦手な外国人観光客にも人気みたい。寿司が1皿180円からとコスパも抜群で、食事時には行列必至だ。
なんばグランド花月近く、裏難波と呼ばれている少し奥まった筋に店はある。17時以降のディナータイムに行列ができているのを何度か見ていたので、今回は少し早めの時間、16時くらいに入店した。それでもカウンターもテーブル席も8割以上埋まっていたが、テーブル席に案内してもらえる。いきなりすし焼きではすぐにお腹いっぱいになってしまいそうなので、お刺身の盛り合わせと冷酒でスタート。
造り5種盛合せは1500円。2切れずつ5種類のお刺身が盛られてきたので1人前750円換算。この日は鯛、ハマチ、カツオ、鰆の焼き霜、ツブ貝。一切れが大きく厚いので満足感は高い。3人でシェアしてもお刺身はこの一皿で十分といいたいところだが、真鯛がすごく美味しかったので追加で注文してしまう。日本酒は辛丹波の冷酒。昨日の奥丹波に続いて、なぜか丹波杜氏のお酒を2連荘でいただくことに。丹波杜氏のお酒は秋上がり(秋晴れ)すると言われるのでこれも旬な饗応なんだと思う。
ときすしでお寿司をリーズナブルに味わいたいなら名物「三昧」を頼むといい。単品で頼むよりかなりお安く5貫ずつ盛られてくる。まぐろ三昧(大とろ・とろ・まぐろ・頬肉・酒盗)、芽ねぎ三昧(まぐろ巻・白身巻・サーモン巻・あじ巻・梅肉)などの定番だけでなく、この日はかつお三昧、貝三昧が季節のメニューにあった。貝三昧を注文する。サザエ、アワビ、ホタテ、トリ貝、ツブ貝の5貫。さらにハマチのかま焼き、玉子焼きなどをアテに頼む。
最初はすぐにお腹がいっぱいにならないようにすし焼きを頼まなかったが、この辺りですし焼きを注文しておかないと食べずに帰ることになりかねない。炙ったネタと好きな味付けの組み合わせが楽しめるが、味を知らずに冒険するのは怖いので今回はお店のお勧めの味付けで頼むことに。写真手前から炙アワビのバター醤油、炙鯛の柚子胡椒、炙サーモンチーズ、炙鰆ガリ、炙トロ岩塩。軽く炙ったネタは脂の旨みが引き立ち、選んだ味付けによってほんの少し、寿司であることを邪魔しない程度に味にアクセントがつくのが面白い。
名残り惜しいがそろそろ〆の時間だ。赤だしの卵入りと、炙り寿司といえばな炙り牛トロと三昧メニューにもなっていて気になっていた芽ネギを追加する。結構食べて飲んだが1人3000円代の前半で済んだ。安くあげようとは考えずに好きな物を頼んでこれなので、コスパはかなり良い。三昧などのセットメニュー中心に本気でお安くと狙えば回ってるお寿司並みのお支払いで済ますことだって可能かも。
著者: へた釣り