五目だから五目釣ってやろうなんて目標の立て方は間違いだと気付いたけれど、船上で熱くなっていると修正は効かない。アジ狙いに徹し切れず、マダイだ、イナダだと欲を出した挙句に中途半端な釣りをしてしまった。それでマダイなりイナダを手にしていれば報われたのだろうが……。
今日はダメかもという予感は実は京急・品川駅であった。やたらとクーラー持参組が多い。秋晴れでほぼ無風の予報に釣りにでも行くかと思い立った人が多かったんだと思う。服装やクーラーなどの道具を見れば、普段からよく釣りに行っている人か、年に数度しか行かない人かの見分けはつく。悪い予感は的中する。金沢八景・一之瀬丸に到着してみると午前アミ五目の席札は既に売り切れ。スーパーお立ち台も覚悟したのだが、予約した人の席は確保してくれていたようで、左舷の艫から2番目で釣れることになった。左舷は12人。吹き流しの仕掛けで釣るのは相当厳しい混み具合。
アジに混じってマダイやイナダも釣れるポイントってどこだろうと思っていたら、桟橋を離れてものの15分ほど走った八景沖~中の瀬で釣り開始となる。水深は25メートルくらい。船長からの指示はハリス分タナを切ってだった。この日はK重名人が要らないアジを取りに来てくださるという約束だったので、まずはアジ釣りの仕掛けで付け届けを確保することに。入れパクとはいかなかったが、開始5分で35センチ級のアジをまずは1匹。幸先よくスタートのつもりだったが魚を掛けたあとにオマツリが多発し、なかなか2匹目が船内に入らない。オマツリを嫌って強引に巻くと口切れバラシが多発しなんともならない。
アジなら大きくたってハリス1.5号で大丈夫と思っていたのだが…これも間違いだった。40センチ近いアジのアタックを受け続けるとハリスが結構切れる。クッション嫌いで仕掛けの天秤へのカラミを防止するために10センチくらいの短いクッションしか使ってないせいもあるが……。仕掛けがもったいないのでアジの仕掛けをやめて3メートル3本針の空針仕掛けにオキアミを付けて、マダイとマアジジの両方狙いをすることに。アジの魚信の頻度は明らかに落ちたが、アジ以外の魚が釣れるかもという五目釣りの誘惑に負けた。
なのにマダイを狙っていたかというとそうではない。マダイも狙える仕掛けでアジを狙っていたのだから、やってることがどうもチグハグだ。中の瀬で40センチ弱のマアジを10匹くらい釣って魚信が遠のいたので移動。お土産を確保したら、高級魚狙いに転じると予想していたのだが、読みがハズれた。マアジでお土産を確保済みという人が船上にほとんどいなかったようで、移動先のポイントはまさかの本牧沖。メバル釣りで狙ったことのあるストラクチャー近くで釣ることに。アジのサイズが落ちたのでアジ用の仕掛けに戻すべきだったが……アジ以外も釣りたいという欲には勝てずマダイも狙える仕掛けで釣り続ける。
本牧沖はほとんど魚信なしで、最終的には八景沖のLTアジ船が集まっている辺りに戻ってきての釣りとなった。釣果を追うならここでもアジの仕掛けに戻すべきだったが…目の前のプレジャーボートで小ぶりとはいえマダイが上がったのを見て、マダイ狙いを継続。残り時間が少なくなると、付け餌用に配られたオキアミを撒き餌にするなどなんとかマダイかイナダを1匹でもと粘ってはみたが……最後までアジしか釣れず。サイズはいいので食い出はあるが、16匹だけと大惨敗にて終了。中の瀬以降のポイントでは、どう考えても、アジ狙いに切り替えるのが正解だったよなぁ。
著者: へた釣り